ここから本文です

専門家に聞く、新型コロナウイルスについて分からないこと

3/25(水) 12:43配信

Wedge

 日々情報が更新される新型コロナウイルス(COVID-19)。情報が洪水のように流れてくる一方で、よく分からないことも少なくない。山本直樹・東京医科歯科大名誉教授、元国立感染症研究所エイズ研究センター長(ウイルス学)に、疑問を聞いた。

Q 日本は韓国など諸外国と比べて、新型コロナウイルスの感染を判定する検査数が少ないことが指摘されています。

A 新型コロナウイルスの検出に使用されるPCR検査は、ウイルスの遺伝子を調べています。この場合、陰性だったからといって、感染していないと判断するのは間違いです。そもそも、ウイルスの遺伝子を調べるにはある程度の数が必要になります。ところが、採取のタイミング、部位によって、採取できるウイルスの数は違います。そのため、たまたまウイルスの少ないサンプルを採取してしまうと、本来感染していても、陰性になることもありうるのです。

 もう一つ重要なことは、「抗体」です。人の体は、ウイルス(抗原)が入ってくると、抗体を作ります。免疫反応と呼ばれるものです。

 PCRのような遺伝子検査と抗体検出検査の両方がそろうことで、診断の精度を高めることができます。「抗体」はワクチンの開発にもつながります。

Q いわゆる医療行為とは異なり、国立感染症研究所が当初行っていたのは「疫学調査」だ、という報道があります。この「疫学調査」とは何でしょうか?

A 新型ウイルスが発生したら、「疫学調査」が行われるのは当然です。疫学調査というのは、因果関係とその妥当性を探る調査です。例えば、タバコと肺ガン、塩分と高血圧など。要するに研究という位置づけです。ところが、そうこうしているうちに、ダイヤモンドプリンセス号の問題が発生したことで、研究段階どころではなくなったということだと思います。

Q 感染症対策の初動において必要なこととは何でしょうか?

A 1918年のスペイン風邪における、アメリカのセントルイスとフィラデルフィアの例で明らかなように、初動をしっかりすることが大事です。セントルイスでは、発生当初から集会など人が集まることを禁止することで、ピークを遅らせ、ピーク時における死亡率でもフィラデルフィアの4分の1に抑え込みました。笑いものになってもいいという覚悟で「オオカミ少年」のような行動をとる人が必要だと思います。

1/2ページ

最終更新:3/25(水) 12:43
Wedge

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ