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新型コロナウィルスになにが有効か? “ビタミンD”の重要性を医師が解説

3/25(水) 21:02配信

GQ JAPAN

ビタミンDの重要性

斎藤 先生は、ビタミンDに関する研究をされていますが、新型コロナウィルスにも、ビタミンDは効果があるのでしょうか?

伊藤 “新型コロナウィルスに効果がある”とまでは言い切れませんが、ビタミンDをしっかり摂っている人の方が、ビタミンDを多くとっていない低い人より感染症にかかりにくかった、という研究は、メタ解析も含め、複数あります*2」

斎藤 日本人の多くは“ビタミンD不足”と、言われていますね。

伊藤 そうですね。たとえば、妊婦さんの約80%がビタミンD欠乏者という研究があります。*3 妊婦さん以外でも、成人人口の約4割から8割の人が、ビタミンD不足に陥っていることを示すデータもあります。*4 ビタミンDが不足すると、こどもではくる病、大人では骨軟化症など骨の不調の原因となりますし、認知症リスクが約3倍になるという研究*5もあります。、うつとも関連していますね。

斎藤 ビタミンDの血中濃度はどのくらいが理想ですか?

伊藤 日本内分泌学会では30から100 ng/mLを基準値としていますが、諸々のリスクの低下には50 ng/mL以上あったほうがよいと研究論文でも示されています。とはいえ、ビタミンDについては認知度が低いため、不足している人がほとんどです。不足していると脳機能に関わるので、積極的に摂取してほしいですね。

斎藤 ビタミンDの効果的な摂取方法は、どんなものでしょうか?

伊藤 これについては、サプリメントで摂取するのが効果的です。本来ビタミンDは、太陽光(紫外線)を直接浴びることで生成されます。ただし、日焼け止めクリームを塗ると生成されません。冬は紫外線が弱いため、短時間の日光浴ではビタミンDがあまり生成されません。とはいっても、太陽光を浴びすぎると皮膚癌やシミのもとにもなるので、浴びすぎはおすすめできません。ということで、サプリメントがもっとも効率のよいビタミンDの摂取法になる、というわけです。

斎藤 ビタミンDを食品で摂取する場合、オススメの食材はありますか?

伊藤 鮭やいわしなどの魚がおすすめです。きくらげなどにも含まれますが、動物性のビタミンDに比べて吸収が3分の1です。*6とはいえ、いずれの食品もビタミンDの量はそれほど多くないので、サプリンメントで補充するのがよいでしょう。ちなみにドイツやオーストラリアなどでは公衆衛生対策として、赤ちゃんが生まれると、全員にビタミンDの液体を配布しています。つまりそれらの国では、ビタミンDを国民の健康対策として重要視しているのですね。

斎藤 ビタミンDの目標摂取量はどれくらいですか?

伊藤 すくなくとも1日400IU(10μg=マイワシ30g相当)ですが、成人でしたらその5倍の2000IU(50μgおよそ身欠きニシン100g相当)をお勧めしています。ただ、サプリメントでビタミンDを補う場合は、種類や内容に注意してください。とくにインターネット上で販売されている格安サプリメントは注意が必要です。それから、ビタミンDサプリではありませんが、市販のサプリメントを常用した副作用で、命を落とした人や肝移植をせざるをえなくされた人が出たというケースも報告されています。安心なのは医師が勧めるドクターズサプリですね。ちなみに、乳幼児用のサプリメントもあります。それを小さなお子様に服用させるのは問題ありませんし、欧米では推奨されています。

斎藤 ビタミンDの重要性を知っている親御さんは、積極的に乳幼児にサプリメントを与えていますね。

伊藤 一部の、偏った食生活をされているご家庭のお子さんは、ビタミンDが重度に欠乏しやすくなるので、動物性たんぱくも野菜もバランスよく、根気強く子どもに与えるのが大事だと思います。

斎藤 ビタミンDの摂取以外に、新型コロナウィルス関連で気をつけるべき点はありますか?

伊藤 消毒のしすぎで、のちのちアレルギーが増えるのでは、と心配しています。とくに、次亜塩素酸系の除菌剤を頻繁に使うと、腸内細菌の多様性が崩れてアレルギーリスクが上がる、という論文が複数あります。アルコールについてのデータはなさそうでが。

斎藤 では、最後になりますが、新型コロナウィルスに関して、再度、強調されたいことをおっしゃってください。

伊藤 オーバーシュート(爆発的な感染拡大)が話題になっていますが、そういう事態が避けられることを望んでいます。そのためにも、私たちひとりひとりが感染予防のための情報を、積極的に身に着けて行動を変えていくことが大切だと思います。

まとめ・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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最終更新:3/27(金) 21:42
GQ JAPAN

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