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「学校教育の圧倒的なムダ」日本の教師が直面している現実

3/25(水) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

黒板、紙の教科書、ランドセル…ずっと続いてきた日本の教育風景が、変わりつつあります。教育(エデュケーション)分野に、IT技術(テクノロジー)を活用しようという取り組みを示す概念、「エドテック」。デジタル教科書、タブレット端末の導入によって、教育現場はどのように変容していくのでしょうか。本連載は、難関資格受験予備校フォーサイトの代表取締役・山田浩司氏の著書『EdTech エドテック』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、解説します。

「教師を尊敬する」風潮が薄れてきた日本社会

日本の教師は事務作業が多く、激務だといわれています。一般的なイメージでは、教師の仕事は授業など生徒への指導だけで、夏休みや冬休み、春休みなどの長期休暇があって、楽な仕事だと思われがちですが、そんなことはありません。

生徒への指導のほかに、学校の運営業務、保護者との連絡など外部への対応、さらには文科省や教育委員会などからのアンケート対応や報告書の作成、研修への出席などの校外業務があって、教材作成や生徒指導に集中したい教師にとって悩みの種となっています。中学校や高校の教員の場合は、ろくに経験も興味もない部活動の顧問なども担当せざるを得ず、業務時間を圧迫しています。

また、保護者の学歴が全体に上がって、風潮として教師があまり尊敬されなくなり、学校にクレームをつけるモンスターペアレンツが増えていることも、教師の疲弊感を増す原因になっています。

フィンランドでは「デモシカ教師」がいない

そのような日本の教師にとって憧れの対象となっているのがフィンランドの教師です。フィンランドは税金の負担が重い代わりに、福祉に力が入れられていて、公教育も充実しています。

経済協力開発機構(OECD)が3年ごとに実施している、学習到達度に関する国際学力調査「PISA(Programme for International Student Assessment)」でも高い順位を取ることが多く、その教育方法のユニークさで注目を集めています。

フィンランドの教師はたしかに恵まれています。その理由として、フィンランドでは教師が尊敬されていることが挙げられます。

フィンランドの教員資格を得るためには、大学院で修士号を取得する必要があり、たいていの保護者よりは教師のほうが高学歴です。また、教員の給料も高く憧れの職業であるため競争率も高く、優秀な人が多いとされています。

何よりも羨ましいのは、学校運営や事務作業には専門のスタッフがいて、教師は生徒指導だけに専念できる点でしょう。

その代わり、フィンランドの教師は転勤がなく、学校の近くに住んでいて地元と密着しています。ですから地元の子どもたちとは学校外でもつながりが強く、責任を強く感じざるを得ないため、教育に対して熱心になります。「ほかにやることがないから教師にでもなるしかない」というデモシカ教師がいないのです。

このように合理的な考え方をするフィンランドでは、すでに2016年度から小学生のプログラミング教育が必修化されるなどICT教育が進んでいますし、教員の負担を減らして生徒の学習効率を高めるためにエドテックが積極的に導入されています。

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最終更新:3/25(水) 9:00
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