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アジア・日本の文化をブレンドしアップデートする覆面ダンスクルー

3/25(水) 17:45配信

Rolling Stone Japan

映画『パラサイト 半地下の家族』が非英語作品として初めてアカデミー賞作品賞を受賞した出来事は、2020年代のエンターテイメント市場が大きく変わることを示唆しているように見えた。

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昨年10月に本誌でフィリピン出身のアーティストであるノー・ロームをインタビューした際、「うちら(アジア人)は、やっと最近、世界の音楽マーケットに入っていけたところだからね。ようやく重要視されるようになった」と発言していたことも思い出されるが、2020年代はようやく、アジア発のエンターテイメントが世界のメインストリームで享受されていく年代となるだろう。アカデミー賞後にトランプ大統領が韓国映画の作品賞受賞を痛烈に批判したことが象徴するように、アジアのエンターテイメントが世界のマーケットで稼ぐことを阻止しようとする政治的な壁は、きっとこの先も生まれてくる。そのため、ただ楽観的に希望だけを語るわけにはいかないが、先進国の資本主義社会における型にはいくつもの亀裂が入って崩れ始めている一方で、アジアの国々が経済的発展を見せて、その人々がエネルギッシュに生きている様には、この地から熱狂的な作品が誕生することを期待せずにはいられない。そしてここでひとつ挙げなければならないのは、日本はこの「アジア」の盛り上がりについていけるのか? それとも、蚊帳の外となってしまうのか? という点だ。

前置きが長くなってしまったが、今回メールインタビューができた「Strawhatz」は、彼らを発掘したダンスクルー・Quick Styleが持つアジア人としてのアイデンティティを自覚し、アジア各国のカルチャーをブレンドした表現をコンセプトに掲げながら、世界中を駆け回っている3人組のエンターテイメントダンスクルー。覆面プロジェクトであるが、ダンスを自分たちの最大の武器にして世界中でショーやCMに出演、彼らのダンスの振り付けを担当するQuick StyleはBTSなどの振付を担当、さらには中国とノルウェーにてダンススタジオを運営している。Strawhatzはここ日本でも、トヨタのテレビCM出演、菅原小春やHIFANAとのコラボレーション、最近ではお笑い芸人・しずるとの共演といった表現を通して、我々日本人が気づいていない日本の独自性をもすくいあげている。Strawhatzは現在のアジア、日本の文化をどう見ているのか? なぜ、各国の文化のブレンドを重んじているのか? 10の質問に答えてくれた。

―まず、Strawhatzとして成し遂げたいと思っていることを教えてください。

Strawhatz:あなたを笑顔にすることと、毎日をもっと楽しむ気持ちを思い出してもらうこと。そして音楽やダンス、喜びには、人間皆共通するものがあるからこそ、あらゆる年齢、文化、民族、宗教の人たちをつなげることが目標だ。

―日本の文化を取り入れた作品作りをやろうと思ったきっかけは?

Strawhatz:初めて東京に来たのは2013年の大雨の日だった。一瞬でこの街と恋に落ちたよ。すぐにインスピレーションが湧いて、数日後にはもう「Tokyo Night」のビデオを撮影していた。それからは、僕たちの中にこの街やここに住む人たちに対する特別な想いがあって、毎年必ず帰ってきてクリエイトする場所となったんだ。

―Strawhatzは日本の文化、アート、人をどう感じ取っていますか?

Strawhatz:日本が大好きな理由はいくつもある。食べ物も、建物も、デザインも、人々の集合的意識も、無限のクリエイティビティーも、とても刺激的だから。僕たちが出会った人は皆、他の国では感じたことがないくらいに優しくて、義理堅くて、感謝の念を示してくれた。日本の文化、アート、人は、いつだってStrawhatzの核にあるんだ。

―Strawhatzが多くの人に知られるきっかけとなった「A Concept」のビデオは、どういったことを表現したいと考えたのでしょうか?

Strawhatz:2013年に、日本人アーティストであるHIFANAの「WAMONO」というトラックを聴いて、インスピレーションが湧いてダンスを創作したんだ。2年後には実際にHIFANAと会うことができて、その後一緒にトヨタのテレビCMを作ることもできた。「A Concept」のビデオは、発表してからどんどん一人歩きしてくれて、もっとたくさんの人に喜びや刺激を与えられるダンスビデオを作りたいと思わせてくれた1本となった。

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最終更新:3/25(水) 17:45
Rolling Stone Japan

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