2014年12月に新プロジェクト「イングランドDNA」を発表し、22年W杯で覇権奪還を目論む“フットボールの母国”イングランド。それから5年あまりが経った今、その一環である育成改革は現場にどのような変化をもたらしているのだろうか。サウサンプトン・ソレント大学で修士課程に進み、イングランドの育成現場で指導者として活躍するマーレー志雄氏にその実情を教えてもらった。
――マーレーさんは、日本でも指導されていたんですよね。
「最初は、日本で指導者として仕事をしていくつもりでした。ただ、そう考えていた時に『明確な武器がない。このままじゃ仕事にはできないよ』とはっきり言われたんですよね。それでいろんな人に相談していくうちに海外へ行くことを勧められて。それが、日本から出ることを決意するきっかけでしたね」
――そこからサウサンプトンにあるソレント大学へ進学されましたが、そこにも理由があったのでしょうか?
「当初は大学に行くつもりではなかったんですけど、イングランドではライセンスを取得するのに時間がかかる。そこで、長い期間でも滞在できる学生ビザを取得するために大学に入ることにしたんです。どうせなら大学でもフットボールのことを勉強したいと思って調べていく過程で、ソレント大学にフットボール学科があることを知って。海外に留学経験のある人も含めて、いろいろな人の意見も参考にしながらソレント大学に決めました」
――フットボール専門の学科は、イギリスで増えてきていますよね。
「最近は、ちらほら聞くようになりましたね。有名なのは、リバプールのジョン・ムーア大学のフットボール科学科や、チェルシーと提携しているトゥイッケナムのセントメリーズ大学にあるフットボール教育学科でしょうか。ウェールズだと、平野(将弘)君が通っていたサウス・ウェールズ大学がありますね」
――その中でもソレント大学は先駆け的な存在です。
「そうですね。10年以上前からあったので」
――今は、その大学院に進学されているんですよね?
「はい。今は大学院の修士課程に進んでいます。修士課程には2つの進学コースがあるんですけど、1つは既にフットボール業界で働いている人が修士号を取得する目的で通うフットボール科学科。僕はもう1つのスポーツ科学&パフォーマンス指導学科で勉強しています。そこで今は様々なスポーツの事例を参考にして広範にスポーツ科学を学んでいます」
――ということは、机を並べる学生や院生もプロ経験のない方が多いのでしょうか? ドイツではユルゲン・クロップのように、プロ経験者が大学に通うことも少なくないようですが。
「プロ経験のない人が指導者の道に進むことを助けてくれる場所ですね。サウサンプトンで活躍した選手が大学院で博士号を取ることはありますけど、大学生から始めるケースは少ないですね」
最終更新:3/27(金) 13:09
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