ここから本文です

キューバが「奇跡の新薬」と医師ら400人を世界に派遣、新型肺炎治療を支援

3/26(木) 18:13配信

ニューズウィーク日本版

<「医療先進国」キューバの薬や治療を試したい15カ国からすでに打診があったが、トランプのアメリカだけは支援を拒否。対キューバ経済制裁を復活させたための意地か>

キューバは新型コロナウイルスへの有効性が期待される「奇跡の新薬」を届けるため、世界中に医療チームを派遣する。

【動画】豪スーパーでトイレットペーパーの奪い合い

この新薬はインターフェロン・アルファ-2Bリコンビナント(IFNrec)という抗ウイルス薬。キューバと中国の研究チームが共同で開発した。今年1月から中国で活動してきたキューバの医療チームは、COVID-19のパンデミック(世界的大流行)克服のため世界各地でこの薬を用いた治療を行う。世界全体で新型コロナウイルスの感染者は3月26日時点で累計44万人を上回り、死者は2万人を突破した(一方、回復した人も30万人を超える)。

キューバの医療チームは1980年代に先進的なインターフェロン治療でデング熱の感染拡大を阻止。その後にHIV、子宮頸癌を引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎とC型肝炎のウイルスを抑える上でも成果を上げてきた。

英グラスゴー大学の講師でキューバ事情に詳しいヘレン・ヤフェによれば、IFNrecは「最終的に死に至りそうな患者の重篤化と合併症を防ぐ」と、キューバのバイオテクノロジー専門家ルイス・ヘレラ・マルティネスが説明しているという。ヤフェはこの治療法が新型コロナウイルス に対する「奇跡の新薬」になる可能性があると見ている。

<制裁が足枷に>

ヤフェは本誌の取材に応じ、自分が知るだけでも15カ国がこの薬を求めてキューバに接触してきたと語った。「地方自治体の長や病院の理事長も、危機に対処するため一刻も早くキューバの抗ウイルス薬を手に入れたがっている」と、ヤフェは言う。

IFNrecはCOVID-19の治療薬としてはアメリカでは認可されていないが、類似したウイルスに有効なことは証明されている。

中国のCDCに当たる国家衛生健康委員会はCOVID-19の治療薬として他の30種の薬と共にIFNrecを挙げている。世界保健機関(WHO)も今後、インターフェロン・ベータを含む4種の治療薬についてCOVID-19に対する有効性を調べる計画だ。

キューバの野心的なパンデミック対策は、米政府の長年にわたる経済制裁に足を引っ張られてきた。アメリカの制裁は「COVID-19のような大規模な公衆衛生上の危機への対応に限らず、あらゆる分野でわが国の発展を妨げる大きな障壁となっている」と、キューバの当局者は本誌に語った。「制裁解除はキューバに大きな恩恵をもたらす。医療は、約60年前に科された制裁で最も打撃を受けた部門の1つだ」

1/2ページ

最終更新:3/26(木) 18:39
ニューズウィーク日本版

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ