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ネット社会で成長の「ギグエコノミー」、欧米から日本へ浸透も

3/26(木) 15:06配信

nippon.com

村田 弘美

インターネットやスマートフォンのアプリなどを通じて、企業に雇用されることなく、一時的、単発の仕事を請け負うアドホックな働き方や経済形態を「ギグエコノミー」と呼び、欧米を中心に普及している。高齢化社会に突入した日本でも浸透していく可能性がある。

世界で広がるギグエコノミー

ギグエコノミーの定義は定まっておらず、さまざまある。米国の人材業界専門メディアStaffing Industry Analysts(SIA)による2018年の米国でのギグエコノミーの経済規模予測 は1.3兆円。SIAの定義は広義で、「直用の臨時労働者」「ヒューマンクラウド」「SOW(専門)コンサルタント」「個人事業主」「派遣労働者」の5つの形態が含まれている。

英オックスフォード大学インターネット研究所によると、ギグエコノミーの市場は1年で3割拡大すると試算し、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、7年後には世界で37兆円の市場になると予測している。

また、ギグエコノミーの人材規模は約5300万人と、米国の労働力人口の約35%相当になる。内訳はヒューマンクラウド790万人、SOWコンサルタント130万人、個人事業主2700万人である。個人事業主の規模が大きいが、ヒューマンクラウドが非常に速いスピードで成長している。

ギグエコノミーは重要な人的資源

興味深いのは、「ヒューマンクラウド」の一形態であるとされる「オンラインスタッフィング」の仕事の4割は米国が発注したもので、その受注先の7割はアジア圏であるという。ギグエコノミーは、テクノロジーの活用によってボーダーレス化されており、よりグローバルな領域でビジネスを展開している。

欧米では、社会全体で人的資源を共有する「トータル・タレント・マネジメント」というコンセプトに基づき人的資源を活用する企業が多い。従業員と、従業員以外の社外人材(フリーランサー、ギグワーカー、専門コンサルタント、副業が可能な他社で雇用されている従業員)、人間以外のAIなど、労働市場にいるあらゆる資源から最適なものを獲得し、独自の人材ポートフォリオを組むというものである。

つまり、従来の企業の枠を超えて、世界中の労働市場から必要とされるタレントを調達しようということで、特に英語圏では、新興国や東欧からのIT人材の活用、時差を利用した働き方など、人材のボーダーレス化が進んでいる。

欧米の場合は、企業規模にかかわらず外部の専門的な労働力を積極的に活用している。ギグワーカーは、求められる要件に応えることができる技術があれば、働く時間や場所を問わず、柔軟で自由な働き方をすることが可能だ。営業職、ソフトウェア開発、クリエイティブ職といった専門職への需要は変わらず高く、ギグワーカーは人手不足の解消に寄与している。

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最終更新:3/26(木) 15:06
nippon.com

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