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新型コロナ流行の時代だから、ヒットし炎上した「100日で死ぬワニ」

3/26(木) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

これはまったくの私見ですが、思えば「100日後に死ぬワニ」がここまで話題になったことには、その深層心理的な部分における新型コロナウィルスの感染拡大の影響があったんではないかなあと推測しています。

最近、日本人が他人に厳しくなったホントの理由

 

観客が先に悲しい結末を知っている面白さ

「”来るべき避けられない死”を知らぬまま、平凡に生きる人々を描く」という運命論的な作品は結構多くあります。例えば大ヒットした『この世界の片隅に』は原爆投下の「広島8.6」、東日本大震災の「3.11」もおそらくかなりあるでしょう。海外作品なら「同時多発テロ9.11」をテーマに『ユナイテッド93』『セプテンバー・イレブン』、クリント・イーストウッドが電車内の銃乱射事件を描いた『15時17分、パリ行き』なんかもそう。名作揃いです。

逆説的でユニークだなと思うのは、こうしたタイプの作品は観客が結末を知ってるから面白い。普通の日常を描いただけで、観客が「あんた死ぬのに、先延ばしにしてる場合じゃないよ!」「ここでその選択をしなければ……」と、描いていることの何倍ものことを感じてくれる。なんの変哲もない日常を描いても、そこにある種のサスペンスが生まれるわけです。

「100ワニ」はまさにそういう企画。広く一般に知られたイベントを使わず「100日後に死ぬ」というのがちょっと新しいかな。「死まで◯日」というカウントダウンが逐一添えられているからこそ「テレビ見て笑ってるだけの4コマ」とか、友達を慰めるワニの「そう簡単に死なないよ」という言葉は、それ以上の意味を持つことになります。連載が始まった12月当初の盛り上がりは、これまで4コママンガにはない、その企画の勝利。

ここにかぶさってきたのが、新型コロナウィルスの世界的蔓延。1月に中国・武漢で騒動が始まり封鎖が1月23日、さらにダイヤモンド・プリンセス号の元乗客の感染が発覚したのが2月1日、2月中旬すぎにイタリアで感染が爆発し、韓国で集団感染は発生し、国内外の死者が増え始め、2月27日には安倍首相による全国一斉休校の要請。ワニが死ぬ100日目を向かえた3月20日の直前に、メディアが一斉に特集した「3.11」も影響したかもしれません。「死」の影がじわじわと少し忍び寄り、平凡で平穏な日常が急激に失われる中で、ワニののんきな日常はより深く、見る人の心に突き刺さったのではないかしら。

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最終更新:3/26(木) 14:30
webマガジン mi-mollet

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