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コロナ感染で「パニック」にならなかったシンガポールと日本の大違い

3/26(木) 8:01配信

現代ビジネス

パニック買い、その時「首相」が即動いた…!

 依然としてグローバルで猛威をふるっている新型コロナウイルス(新型コロナ)は、アジアからアメリカ、さらにはイタリア、スペインなど欧州への感染拡大が広がっています。そうした中、いまシンガポールでの「コロナ対応」が成功事例として注目を集めています。

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 私はシンガポールで生活している者として、今回はそんなシンガポールのコロナ状況についてお届けしたいと思います。

 感染者の時系列の推移を見るとわかりますが、1月後半の新型コロナ感染拡大初期は日本よりシンガポールのほうが感染者数を多く出ていました。そして、2月7日にシンガポールでの感染拡大を受けて、保険省が警戒レベルを上から2つ目のオレンジまで引き上げたことで、シンガポール国民の一部がパニックとなって、マスクやトイレットペーパー、パスタなどを買い占める動きが広がり、かなりの店舗では棚からこれらの商品が消えました。

 時を同じくして、実店舗での品切れを見た消費者がeコマースになだれ込み、アマゾンやアリババが出資しているレッドマートといったシンガポールの大手ショッピングサイトは宅配が1週間先まで予約で一杯になってしまい、新規購入の申し込みが一切できなくなってしまいました。

 この際にすぐに行動したのがシンガポールのリー・シェンロン首相です。

 約8分の動画をオレンジに警戒レベルを引き上げた翌8日にyoutubeにアップロードし、この中でシンガポール政府はSARSが感染拡大して被害を出した時の反省を生かして、医療体制は十分に対処できていることと、上記の買い占めが見られた商品について十分な在庫があるので、決してパニックになることがないように語りかけました。

 この動画はアップロードから1ヵ月で約50万回も再生されています。

超迅速な「トップダウン」

 これを裏付けるように、シンガポール政府が率先して大手スーパーやeコマース業者に働き掛け、パニック発生から1-2日で上記の買い占めが起きた商品を補充し、混乱は最小限に抑えられました。

 また、マスクについても首相自らトップダウンのメッセージとして感染予防効果は乏しく、症状が出ている人のみ着用すべきというメッセージを繰り返し発信していました。

 マスクがシンガポールで不足しているから上記のようなメッセージを発信しているのではないことを示すために、政府から各集合住宅には一定量のマスクが配布され、私がシンガポールで暮らしているコンドミニアムにも症状が出ている人のみ使用する原則で、数百枚のマスクが届けられました。

 そのため、日本のように最もマスクを必要とする医療従事者に十分な量が行き渡らなくなることもなく、スムーズに医療サービスが継続できたとシンガポール政府は発表しています。

 このようにトップダウンで効率的に新型コロナ対策がシンガポールで行われた理由として、経済効率を優先した特殊な形態の都市国家であることが寄与したことは間違いありません。

 同時に2002年末から03年の夏にかけてアジアを中心に大流行したSARSの反省が活かされたことが大きく寄与したと見ています。

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最終更新:3/26(木) 8:21
現代ビジネス

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