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「こんなことは許されない」 全国大会で約2割の選手が出場ゼロ…U-11リーグ創設者の危機感

3/26(木) 12:13配信

THE ANSWER

【幸野健一が挑む日本のスポーツ文化改革|第4回】ジュニア年代でリーグ戦文化のある欧州と“負ければ終わり”が多い日本

 2015年、幸野健一は自ら実行委員長としてプレミアリーグU-11を起ち上げた。初年度に参加を表明したのは7県だけだったが、今では31都道府県に広がり、約7000人がプレーし3000試合前後をこなす規模にまで発展している。

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「多くの指導者が集まる席が設けられ、なかなかジュニアでリーグ戦化が進まないことに対して、みんなJFA(日本サッカー協会)に批判の声を挙げていました。そこで僕が『だったらJFAに頼ることなく、自分たちで正しいと思うことを始めればいいじゃないか』と声をかけたのが発端です」

 なぜU-11なのか、幸野が背景を解説する。

「JFAはU-12のリーグ戦化を始めたのですが、全都道府県で平等にスタートしようとしたから、それだけで手一杯になってしまったんです。要するに試合数は増えたもののグラウンドが足りなくて、他の学年まで対応できなくなってしまった。だから僕らは、まず各県のトップ10に声をかけて、そこから裾野に広げていこうと考えました」

 10代でイングランドに留学し、世界43カ国の実情を見てきた幸野にとって、彼我の大きな違いの一つにリーグ戦文化の浸透度合いがある。

「10歳くらいの子供たちのサッカー知能を比べると、欧州のほうが断然高い。なぜなら欧州の子供たちは、全員がレベルに適したリーグ戦を毎週末にこなしているからです。リーグ戦では必ずホーム&アウェーで同じ相手と二度戦う。試合を振り返り分析して、再度対戦することで、個人戦術も蓄積されていく。それに対し日本ではノックアウト方式が多いので、負ければそこで終わり。だから落ち着いた状況で試合に臨めないし、二度と対戦しない相手だから次戦への修正もない。それが8歳から毎年30試合ずつ積み重なるわけで、日本は絶対に追いつかないな、と思いました」

クラブには「所属する全員を1人も不幸にすることなく、成長させる義務がある」

 一昨年のロシア・ワールドカップで、日本がベルギーに逆転負けを喫した翌日のことだ。FC市川GUNNERSに所属する6年生数人が幸野に話しかけてきた。日本のコーナーキックをベルギーのGKティボー・クルトワがキャッチして、MFケビン・デ・ブライネに渡すところから一気にカウンター攻撃が決まった。

「山口蛍の対応、あれはないよね」
「だったら、どうすれば良かった?」
「デ・ブライネがドリブルを始めた瞬間に、一度ペナルティーエリアまで引いて他の選手が戻るのを待てば良かったんだよ」
「そうだよな。でも山口もアドレナリンが出ているから、ついデ・ブライネに食いついてしまった。たぶん小学生の頃から、無意識レベルで対応できるようにトレーニングしてこなかったからじゃないかな。でも君たちは違う。大人になったら無意識レベルでもできるはずだよ」

 FC市川GUNNERSでは、小学生なら1チームの所属を8人制の倍に相当する16人までに止め、選手全員が全体の40%の試合に出場することを担保されている。また幸野が実行委員長を務めるプレミアリーグU-11も3ピリオド制を導入し、誰もが必ず1ピリオドはプレーする規則にしている。

「少年たちが一番望んでいるのは試合に出ることです。逆に彼らには毎週末、試合に出る権利があり、クラブ側にはチームに所属する全員を1人も不幸にすることなく、成長させる義務があるんです」

 幸野が持論を展開する。

「戦力が同じ2つのチームがあるとします。Aはレギュラーしか試合に出さない。Bは全員を出す。最初はAが圧勝します。でもBは上手くない子のモチベーションが上がるので、週3回の練習の中味が濃くなります。底上げが進むと、上手い子もなかなか相手を抜けなくなるので、さらに頑張り良い競争が生まれる。逆にAはレギュラーと、それ以外の子の差が広がる一方なので雰囲気も悪くなる。半年ほどでチーム力が逆転するのは当然です」

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最終更新:3/26(木) 12:13
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