ここから本文です

「100日後に死ぬワニ」爆死、五輪延期やアナ雪ステマ騒動との残念な類似点

3/26(木) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● SNSでの「雑な仕込み」は 必ず炎上を招く

 この「電通案件」の大炎上は、広告、セールスプロモーション、SNSマーケティングを生業とする人たちに、どう言い訳をしてもステマはアウトだということをあらためて知らしめるとともに、ある大きな教訓を与えた。それは、SNSでの「雑な仕込み」は瞬時にボロが出て、凄まじいバッシングにさらされるということだ。

 業界内でこのような「大失態」が発覚すると普通は各社、半年くらいは身を引き締める。上層部から現場に「うちは大丈夫だろうな」なんて声が寄せられるので、自社がSNSマーケティングの仕込みが「雑」ではないか、細心の注意を払う。ステマ感が出ていないかはもちろん、ひと昔前の「韓流ブーム」のようなゴリ押しになっていないかも気にするところだ。

 しかし、「100日後に死ぬワニ」のビジネス展開からは残念ながら、そのようなことを気にした形跡はまったく感じられない。

 気持ちがいいくらい「最終話=プロモーションの最適なタイミング」としか捉えておらず、クチコミで火がついた作品を愛してきた人々の目に、集中的に大量投下されるビジネス展開がどう映るのかかえりみた感じもない。

 そのあまりの無神経さから、「実は炎上マーケティングだったのでは」なんて陰謀論まで飛び出してきている。

 ただ、報道対策アドバイザーとして、この手の炎上案件に関わった経験から言わせていただくと、「100日後に死ぬワニ」が時代錯誤的なゴリ押しマーケティングになってしまったのは、特に驚くような話ではない。

 多くのカネが費やされ、さまざまな人が関わるプロジェクトというものは、規模や期待が大きくなればなるほど、誰も止めることができない。もしそこで誰かが問題を指摘しても、「今さらやめられるか」と突っ走ってしまう、ということが多々あるのだ。

● 事前にリスクが判明しても 方向転換には断固抵抗

 一体どういうことか、筆者の実体験から説明していこう。

 以前、ある企業の経営幹部から、SNSを用いたプロモーションを考えているので、実施前にリスク対策のアドバイスをしてもらいたいという依頼があった。

 会社にうかがい、担当者からその概要を聞くと、ネト…ではなく愛国心溢れる方たちからすぐさまクレームが飛んできそうな、センシティブな歴史問題に関係する部分があった。そこで、過去に似た方向で炎上した事例を提示して、このままの方向性だとこのような被害も考えられますよ、といくつかのリスクシナリオを指摘。未然に防ぐためにはプロモーションのタイミングや、打ち出しているメッセージなどをちょっと変更したらいかがですか、というアドバイスをさせていただいた。

 すると、この話を聞いていた人たちの中に、物凄い勢いで筆者にメンチを切っている方たちがいることに気づいた。後で聞くと、このプロモーションを立ち上げから担当していた責任者と、請け負っている広告代理店のクリエイターだった。

 もちろん、筆者はこのプロモーションにダメ出しをしたわけでも、中止にすべきだなどと主張をしたわけでもないが、彼らの目には、後からやってきて「自分たちの仕事」をコケにする失礼極まりない輩と映ったのだろう。

 ただ、こういう嫌われ方は、この仕事をしているとよくあることなのでさして気にならなかったが、それより驚くことが起きる。帰り際、経営幹部の方から呼び出されて、このようなことを頼まれたのだ。

 「すいませんけど、あまり悪いことばかり言わないでもらえますか。せっかくみんなやる気になっているので」

 聞けば、このプロジェクトは現場からぜひやりたいということで上がってきたもので、今日までチーム一丸となって非常にいい雰囲気の中で進められてきたもので、経営幹部としては今のプロモーションの方向性を尊重したいという。また、半年以上も準備を進めていた関連部署にも大きな影響が出るので、このタイミングで内容を変更したくないというのだ。

 要するに、今のやり方から1ミリたりとも変えるつもりはないので、もしそれでトラブった時にダメージを最低限にする方法だけを教えてくれというわけである。

3/5ページ

最終更新:3/26(木) 14:05
ダイヤモンド・オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ