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東京の若者に「風呂なし物件」がじわり人気の訳

3/26(木) 7:45配信

東洋経済オンライン

 きっかけは、フィールドガレージに勤める鹿島さんが、風呂なし物件と銭湯の見学ツアーを企画したことにある。不動産業を生かして大好きな銭湯に何か貢献できないかと考えた末、「風呂がなければ、皆銭湯に行くのでは」とひらめいた企画だ。

 蒲田や自由が丘、高田馬場、中目黒などで9回ほど開催したところ大好評で、ニーズが見えてきたという。一方、風呂なし物件は大手ポータルサイトで探しにくく、不動産屋でもあまり紹介してもらえないといった現実もあった。家賃の低い風呂なし物件は手数料を多くとれないため、不動産屋が敬遠するからだ。「ならば専用サイトを作ろう」という話になった。

 サイト開始から1年半で問い合わせ数は、80件。数としては多くないが、成約率は2割に達している。「3割あればかなりの好成績とされる中、風呂なし物件としてはいい数字では。オーナー様からの問い合わせも増えつつあります」と鹿島さんは説明する。

 一般的に風呂なし物件は不動産屋からは「生活保護者や高齢者など賃貸物件を借りられない人のための物件」として扱われることが多く、「若い人が入ってくれて嬉しい」と喜ぶオーナーも。

 同サイトの人気の秘密は、23区内の中でも「テンションが上がるような立地のいい物件を選んでいる」(鹿島さん)点にある。また、オーナーから直接掲載希望があった物件はよほどの遠方でない限り現地に行って取材し、その魅力を物件情報欄に丁寧に綴るようにしているという。

例えば、「DIYも可能!  あなた好みの風呂なし物件」と題した桜台駅近くの物件には、

”2階の南西角部屋。入った瞬間に気持ちのいい日差し。そして遠目に西武池袋線の電車が走るのが見えました。その明るいダイニングキッチンでお気に入りのパンでも買って窓際で珈琲を飲むという画が浮かぶくらい。床もレトロな綺麗なグリーン模様”

 など現状のポイントをレポート形式で記載するほか、DIYの具体的な提案や近所のデザイナーズ銭湯の情報なども盛り込んでいる。淡々と箇条書きされた一般的な物件欄よりも断然イメージが湧きやすいのではないだろうか。

■女性客への配慮もバッチリ

 女性客への配慮も意識している。プライバシーの観点から基本的にはトイレや玄関が共有である物件は紹介しない。また、風呂なし物件は築古でオートロックもないので、女性客には2階以上の部屋を勧めるのはもちろん、女性専用アパートなど極力安心して住める物件を紹介している。

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最終更新:3/26(木) 16:44
東洋経済オンライン

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