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リオ五輪、日本のメダルほぼ全部に 「東京都北区西が丘」が絡んでいた

3/26(木) 11:50配信

webスポルティーバ

JISS久木留毅センター長インタビュー・中編 (前編から読む>>)

 近年のオリンピックにおける日本のメダル獲得数は増加している。  その成果を国内外から高く評価され、「数値化するのは難しいが、少なからず貢献している」と久木留毅(くきどめ たけし)センター長も言う、日本のメダル増産"虎の穴"がハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC、東京都北区西が丘)であり、その中核機能である「国立スポーツ科学センター=JISS」だ。新型コロナウイルスの影響で東京オリンピック・パラリンピックの今夏の開催が延期となったことで、JISSもアスリートの難しい調整を支援しなければならない。

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 久木留センター長がJISSの一番の強みとして挙げたのは、ここが"ワン・ストップ・ショップ"であること。

「科学的セオリーとして、運動したら、リカバリーしなければなりません。しっかりと栄養と休養をとるということですが、これをJISSのなかで100パーセントできます。

 例えば、4階にあるトレーニング体育館や各専門トレーニング場で練習をしたら、エレベーターで宿泊室に上がってシャワーを浴びて、7階のレストランで食事をして、また宿泊室に戻って午睡(ごすい)ができる。必要なら4階へ行けばウエイトトレーニングがいつでもできるし、体で気になるところがあれば1階のクリニックへ。2階にはリハビリテ--ション室も用意されています。

 これがほかの運動施設で合宿をするとなると、まず宿舎から車で練習場へ行って、練習が終わったら車で宿舎へ戻って、いったん練習の荷物を置いてシャワーを浴び、車で近所の定食屋さんまで行って食事。また車で宿舎に戻って、荷物をピックアップして再び練習場へ......となるわけです」

現在、JISS内で練習を続けているのは新体操、トランポリン、競泳、アーティスティックスイミングに限られ、ほかの競技・種目は、2008年に隣にできた味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC・ウエスト)など西が丘一帯の施設を総称する「ハイパフォーマンススポーツセンター」内での移動となるが、それでもこれだけの効率の良さは他にない。

 ケガや、病気になってしまった場合にもJISSの強みが発揮される。 「ケガをした直後なら、すぐに高圧酸素室で細胞を活性化させ、回復を早めることができます。また、必要ならJISS内でMRI検査も受けられます。もちろん、順番待ちもほとんどありません。手術だけはJISSではできないので、診断を受けて手術となったら連携している病院へ行くことになります。手術後はJISSに戻り、宿泊してリハビリ。ドクターやトレーナーなどの判断で必要となれば低酸素室でのトレーニングもできます。管理栄養士もいますので、治療期間中も食事管理の心配はありません。  個人名は明かせませんが、ある競技の選手はシーズン中に大きなケガをして全治6カ月と言われたそうですが、手術後にJISSでリハビリした結果、約3カ月で回復。シーズン終盤には競技に復帰できました。こうした例はほかにもたくさんあります」

 スポーツ選手は体調不良の際に一般人より気を遣わなければいけないが、JISSならその心配もクリアできる。 

「いまはドーピング問題があるので、選手たちは風邪をひいたからといって安易に市販薬を飲むわけにはいきません。そんなときはJISSに駆け込めば、ここのスポーツドクターはドーピングなどの専門知識があり、最新情報を共有しているので間違いなく、しっかり対応してくれます。ドクターはみなさん優秀ですよ」

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最終更新:3/29(日) 10:18
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