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強気の「休校せず」から暗転、英国が示すイタリアとの不吉な符合

3/26(木) 17:00配信

日経ビジネス

 新型コロナウイルス対策で独自路線を取っていた英政府がついに他国と同じような封じ込め策に舵を切った。ボリス・ジョンソン英首相は3月23日夜、時おり拳を固く握り締めながら厳しい表情で国民向けのビデオメッセージを発信した。「みなさんは家にいなくてはいけない」と語り、食料品や医薬品の買い物などを除き、最低3週間の外出禁止を求めた。

【図表】英政府の「集団免疫」戦略など初期の新型コロナ対策への批判。初期の英政府の新型コロナ対策に対して、多くの識者が批判していた

 1日1回、運動のための外出は認めるが、公共の場では同居人を除いて3人以上で会うことを禁じた。ジョンソン首相は「もし友人に誘われたら断るべきだ」とも語った。違反者に対しては警察が罰金を科すなど取り締まりの権限を持つ。

 これまで英政府は、他の国と比べると緩い新型コロナ対策を講じてきた。世界各国が学校の休校や外出制限に踏み切る中でも、一斉休校には踏み切らなかった。英政府のパトリック・ヴァランス首席科学顧問は、「休校は最小限の効果しかない」との見解を示していた。

 しかし、23日時点で感染者数は6650人、死亡者数が335人(24日時点では感染者数が8164人、死者数が423人)に上るなど状況が悪化。20日に学校を一斉休校とし、飲食店の営業禁止を求めたものの、21日と22日の週末には英国民が全国各地の公園などに大挙して押しかけた。多くの人々が行き交い、さらなる感染拡大を引き起こしかねないとの危機意識から、英政府は厳しい対策に方針を転換した。 
 新型コロナの感染拡大に対して、英国民はどのように対応しているのか。消費行動を見るとパニックに陥っているように見える。

 「成熟の欧州はいずこ?消毒液盗難、パスタ売れ切れ…パニックの様相」(関連記事参照)で紹介したように、欧州で感染が拡大してからスーパーマーケットなどで品薄な状況が見受けられたが、16日に英政府が感染リスクが高い人は自宅にとどまるように要請してからは、パニック消費に拍車がかかった。

 英国ではトイレットペーパーなど特定の商品が品薄になるだけでなく、スーパーの商品が根こそぎなくなっている。野菜や果物など生鮮食品もあっという間になくなり、スーパーの商品棚のかなりの部分が空になる店舗が珍しくない。

 スーパーは購入点数の制限などを設けているが、パニック消費は収まりそうもない。商品の争奪戦の中で高齢者らが買い物できるように、通常の開店時間前に70歳以上の高齢者や持病や障害がある人だけが入店できる時間帯を設けるスーパーが増えてきた。

 医療現場の混乱も始まっている。ロンドン北部のバッキンガムシャー州のNHS(国民保健サービス)の病院に勤めるレイチェルさんは、担当の糖尿病患者が新型コロナに感染し、早期の検査を要請したが、なかなか検査を受けられなかったという。検査に3日間待ち、3日後に陽性という結果が出た。「その間に患者からたくさんのせきを浴びた。自分も感染し、他の人にうつしていないか心配だ」と不安を隠さない。

 医療従事者の負担が高まり、重症患者がNHSの受け入れ能力を超えてしまえば医療崩壊が起き、死亡者数が急増する可能性がある。そのため、ジョンソン首相は「体調が悪くなったら、すぐに自主隔離をしよう。NHSを守ろう」と繰り返し訴えてきた。買い物の時間を確保するのが難しいNHS職員に配慮し、NHS職員向けの専用コーナーを設けるスーパーもある。

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最終更新:3/26(木) 17:00
日経ビジネス

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