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生徒の万引きを知った教師。通報しないと「犯人隠匿罪」?

3/27(金) 8:30配信

教員養成セミナー

設例8 生徒が万引きを告白!適切な対応は?

 元気のない生徒と面談したところ、「誰にも秘密」として、万引きを告白されました。こうした犯罪の事実を知ったとき、管理職や保護者との情報共有、警察への通報の義務などは生じるのでしょうか?

1 情報共有は必要。法的問題もなし

 公立学校教員には地方公務員法が適用されるため、職務上知り得た秘密は漏らしてはならないという守秘義務があります(地方公務員法第34条)。このため、生徒から相談を受けた内容を、外部の第三者に報告することは原則として許されません。

 この守秘義務には例外が一切許されないのかが問題になりますが、これは法律家がほとんど議論していない点です。例えば、養護教諭やカウンセラーが「校長や担任には内緒に」という条件付きで生徒から相談された場合、その内容を校長や担任と情報共有すべきかどうか、ということもほとんど議論されていない状況なのです(この点の解答例は、拙著『スクールロイヤー 学校現場の事例で学ぶ教育紛争実務Q&A170』〈日本加除出版〉をご参照下さい)。

 一般的には、教員が生徒から知り得た情報については、秘匿性が高い情報であっても校長やその他の教員と共有すべきであると考えられます。この見解は、個人情報も同一組織内で共有することについては問題ないとされていることや、いじめなどの事件では学校全体で組織的に対応すべきだと考える建前とも整合します。そのため、教員が万引きの事実を管理職に報告することは、生徒の意思に反していても、守秘義務違反にはなりません。

 また、保護者は親権者であり、子供の行為に対して法的責任を負う立場(法定代理人)であることから、保護者に対して万引きの事実を報告することも守秘義務違反にはならないと考えられます。

 しかし、設例のように、生徒が教員に秘密を打ち明けるのは、教員と生徒との間に信頼関係が存在するからです。親に言えない事実であると認識した上で、教員に告白している以上、教員が保護者に事実を伝えることは信頼関係を破壊する可能性があり、それが今後の教育活動に影響することも考えられるため、十分な配慮が必要になります。

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最終更新:3/27(金) 8:30
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