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大学時代のロサンゼルスひとり旅 宇賀なつみがつづる旅

3/27(金) 12:07配信

朝日新聞デジタル&[アンド]

【連載】宇賀なつみ わたしには旅をさせよ

フリーアナウンサーの宇賀なつみさんは、じつは旅が大好き。見知らぬ街に身を置いて、移ろう心をありのままにつづる連載「わたしには旅をさせよ」をお届けします。今回は大学時代に初めて海外へひとり旅をしたロサンゼルスの思い出。当時のドキドキがよみがえります。

          ◇

「ひとりじゃない ロサンゼルス」

3月になると、思い出す旅がある。

今から13年前、大学3年生になる前の春休み。
当時20歳の私は、生まれて初めて、ひとりで海外に行った。

自由に時間を使える大学生活も残り半分。
夏が終われば、いよいよ就職活動も始まるというその年、
私は、これまで経験したことのない何かに、
挑戦しなければいけないような気がしていた。

よし、ひとりでアメリカに行ってみよう。

今考えてみれば、極めて単純で恥ずかしいが、
ひとりで飛行機に乗ったことすらなかった当時の私にとっては、
それはもう、世界がひっくり返るような大冒険だった。

決心してからの行動は早い。
物心ついた時からそうだ。
両親を説得して借金をし、大きめの格安トランクを買って、
あっという間に旅立っていた。

ニューヨークではなく、ロサンゼルス。
海が好きだし、寒いところは苦手だし、
なんとなく、東海岸より西海岸の方が、自分に合っていると思った。

最初に、50ドルで4週間バス乗り放題のチケットを買った。
ロサンゼルスは車社会で、地下鉄だけでは移動できる範囲が限られるので、
毎日バスに乗っていた。

最初の数日間は、体の大きいお兄さんたちが近くにいると、
怖くて目も合わせられず、運転手の横にずっと立っていたのだが、
そんなお兄さんのひとりが、お年寄りに席を譲っているのを見て、
怖がっていた自分が恥ずかしく、情けなくなった。

隣に座っていたジャケット姿の男性に、
「今何時?」と、ごく自然に話しかけられて、
自分はここに居ていいんだと、
このバスに乗っていていいんだと、うれしくなったこともあった。

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最終更新:3/27(金) 12:07
朝日新聞デジタル&[アンド]

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