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自宅をめぐって三姉妹が大喧嘩…三枚舌の父が招いた骨肉の争い

3/27(金) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

年間約130万人の方が亡くなり、このうち相続税の課税対象になるのは1/10といわれています。しかし課税対象であろうが、なかろうが、1年で130万通りの相続が発生し、多くのトラブルが生じています。当事者にならないためには、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが肝心です。今回は、三人の姉妹の間で起きた相続トラブルを、円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

何かと張り合う姉妹を心配し、父が相続対策を開始

有名企業に勤め、順調にキャリアアップを重ねていたAさん。プライベートでも三人の娘に恵まれ、幸せな毎日を送っていました。しかし子どもたちが独立し、それぞれが家庭をもつようになってからは、どこかギクシャクした雰囲気になっていきました。

「先日、長女の子どもがお受験をして、名門小学校に合格をしたんです。私たちの家系から、あんな名門小学校に通う子が出てくるなんてと、みんな集まってお祝いをしたんですけど、長女家族が帰ったあと、次女と三女は、長女家族の悪口で盛り上がって……」とAさん。

「その前に娘たちが集まったときは、三女の旦那さんが部長に昇進したことで盛り上がったんです。若いのに異例の抜擢だったらしく、みんなで『すごい! おめでとう!』と。しかしこのときも、三女が帰ったあとに、長女と次女は三女家族の悪口で盛り上がって」とAさん。

「さらに、こんなこともありました。次女が……」とAさんの話は止まりません。三人の娘たちは年が近かったこともあるのでしょう。結婚や子どもが生まれるタイミングも、それほど変わりませんでした。そのため、お互いを妬んだり、羨ましがったりして、いない誰かの悪口をいうことが増えていったそうです。

「それぞれ事情は違うし、一番大切なのは自分たちの家族になりますから、仕方のないことかもしれません。でも家族なのにね……正直、聞いているだけで疲れますよ」とAさん。

「いない誰かのことを悪く言うなと、きちんと叱れと⁉ 確かに、私がきちんと言えたらいいのでしょうが、娘たちに嫌われなくないと『優しい父親』を演じてきたこともあって、いまさら厳しくなんて言えなんですよ」と、半ば諦めていました。

娘たちがそのような関係だったので、気がかりだったのは相続のことでした。すでに妻は亡くなっていたので、自分に何かあったとき、娘たちが相続人になります。このままでは、三人の娘たちは泥沼の相続争いを繰り広げるに違いない――。そのように考えて、相続対策をスタートさせます。

まずAさんは、保有していたマンションを売却しました。若いころに、老後の生活資金のためにと購入したマンションでしたが、現金にしたほうが分割しやすいと考えたのでした。株や投資信託なども、すべて売却し現金にしました。「すべて現金だったら、あとは三分割するだけなので、揉めようがないですよね」という考えで、資産と呼べるあらゆるものを現金にしていきました。

そして残るは自宅のみ、という状況になったとき、不測の事態が起こりました。元々心臓に持病を抱えていたAさん。ある冬の日に自宅で倒れて、そのまま亡くなってしまったのです。相続のことを考えて対策を進めていましたが、自宅だけは遺ってしまいました。

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最終更新:3/27(金) 12:00
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