ここから本文です

【木村和久連載】優秀なコーチが 力を発揮する環境を日本で築くには?

3/27(金) 6:10配信

webスポルティーバ

専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第248回

 日本の男子ゴルフ界には、コーチという存在が少ないというか、さほどいませんよね。一時期、丸山茂樹選手が全盛だった頃は、男子プロにも立派なコーチがついていたのですが、今ではだいぶ減りました。

【写真】日本女子ツアー、期待のルーキー

 そもそも日本の場合、"プロ専門のコーチ"というのはあまり聞いたことがないです。大抵、コーチ業というのは、並行してジュニアやアマチュアのスクールをやったり、メディアのレッスンなどで活躍したりしないと食べていけないからでしょう。

 20年ほど前、昨年亡くなられたプロ専門コーチだった後藤修先生のレッスンを、雑誌の企画で3年ほどやりました。その頃でも、後藤先生はアマチュアの生徒を集めて指導していましたからね。ジャンボ尾崎プロや中嶋常幸プロの師匠でさえ、生活のためには、素人相手のレッスンをしなければならなかったのです。

 最近、コーチで脚光を浴びているのは、渋野日向子選手を指導している青木翔コーチでしょうか。今や引っ張りだこで、同じ女子プロでも、渋野選手のパター練習を参考にしている選手が多いみたいですね。

 青木コーチだけでなく、女子プロを教えているコーチは他にも結構います。

 ただ、女子には教えることができても、男子には教えられない――それは、どうしてなのか?

 そんな"謎"を含めて、日本のスポーツ界全体を見ながら、コーチという存在について考えてみたいと思います。

(1)監督やコーチは元名選手ばかり 日本のプロスポーツ界はおおよそ、現役時の成績によって序列が築かれます。だから、現役時代に活躍した選手は、指導者としての資質はともかく、スライド的にコーチや監督になり得ます。

 この最たる例が、相撲と野球でしょう。日本のこの2大メジャー競技が、さほどよろしくない伝統を、延々と守っているんですね。

 そうした状況にあって、優秀な指導者というのは、なかなか生まれません。先日亡くなられた野村克也さんみたいな、論理的&合理的な指導法をする方は、滅多にいませんから。

 しかも野村さんは、三冠王を獲ったことがある名選手です。

 そこが問題というか、肝と言えます。

 相撲の世界ではよく、親方が平幕止まりなのに、その部屋に横綱がいることがあります。その横綱は、平幕止まりの親方の話に耳を傾けるのか?

 たぶん、答えは「ノー」でしょう。もちろん、当初は親方の言うことを聞いていたかもしれませんが、大関や横綱に出世してからは、親方の話をそこまで熱心に聞かなくなっているのではないでしょうか。

 要するに、野村監督にしても、そもそも三冠王を獲っているから、選手が耳を傾けたんですよね。

 結局、プロ野球の監督や大相撲の親方の威厳は、現役時代の成績に比例します。そうした世界にあっては、専門のコーチがなかなか育たないし、指導者としてのスキルが高くても「あんた、オレより、勝利数多いの?」「何回、優勝したの?」と選手から見下されて、いいコーチが日の目を見ることは少ないんでしょうね。

 ゴルフにおいても、男子の場合はそうしたことが言えるかもしれません。

1/3ページ

最終更新:3/27(金) 6:10
webスポルティーバ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ