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フェミニストでヴィーガン。東欧のダンス王子レヴァン・ゲルバヒアニ、22歳の素顔

3/28(土) 12:00配信

GINZA

新作映画『ダンサー そして私たちは踊った』の舞台は、東欧の国ジョージアの国立民族舞踊団。男性は雄々しく、女性は優美に踊ることを求められる、そんなジェンダーがはっきりした環境で、主人公のダンサーの青年メラブは、カリスマ的な魅力を放つ新入りダンサーの青年に惹かれていきます。メラブを演じたレヴァン・ゲルバヒアニさん自身ももともとダンサーで、今作でスクリーンデビューを飾りました。弱冠22歳の彼は、聞けば、フェミニストでヴィーガン。新世代らしい、“当たり前”に縛られない自由な考えを教えてくれました。

差別を生み出すのは”社会”

──今作は東欧ジョージアの国立民族舞踊団を舞台に、男性ダンサー同士の恋愛を描いています。今作は本国で大きい反響を呼び、プレミア上映のチケット5,000枚は 13 分で完売するも、当日劇場前では、保守系のグループにより上映中止を求めて大規模な抗議デモが起きたそうですね。今作にそんなシリアスな社会背景があったというのも、資料を読んではじめて知りました。

レヴァン・ゲルバヒアニ(以下、レヴァン) そうですね。だから、監督は僕のことをインスタグラムで発見して主役をオファーしてくれたんですが、今作の題材と社会背景がナーバスなこともあり、5回くらい断ったんです。出演の影響は自分だけではなく周囲にも及ぶかもしれないし、それを受け入れる準備が自分にあるかわからなくて。でも友だちや家族に相談する中で、最終的には母が僕の背中を押してくれました。

──出演はとても勇気がいることだったんですね。今作を観ていると同性愛のみならず、ジェンダーそのものについて考えさせられます。たとえば男子更衣室で、先輩ダンサーが新入りを風俗店に誘うシーンがありました。その手の男性同士の親睦の深め方は日本社会にもあるようです。でもそんな風に、古臭い“女らしさ”“男らしさ”を押し付けてくる社会に対して「NO」と言う人が、若い世代を中心に出はじめています。レヴァンさんが演じた主人公メラブもクライマックスのダンスシーンで、華麗に「NO」を体現していましたね。

レヴァン 僕自身も前提として、人間は平等であるべきだと思っています。ジェンダーによって誰かが優れている/劣っていることはありえないのに、じゃあ何が差別を生むのか?というと、“社会”です。社会が僕たちの脳に、ジェンダーを差別する考え方を刷り込んでいるわけですが、本当にばかげていると思います。「わたしは男性だから家事はしない。女性がするべきだ」と言って、まるで女性を奴隷のように扱う。そんな男性中心の発想は、自分の中では違うと思いますね。保守的なジョージアのみならず、各国で女性の社会的地位はまだまだ不当に低いと思うので、もっと上げたいです。

──たしかに先進国においてでさえ、男女間の格差は今も根強くあるとされています。

レヴァン 女性には本来すごく、すごくパワーがあると思います。ジョージアでは12~13世紀にかけて、タマールという女王が国を治めていました。国の基礎を築いて大きくしたとして知られる人物で、彼女はジョージア史上最高のリーダーなんじゃないかと思います。また今、ジョージア国内には出稼ぎ労働者が200万人ほどいるのですが、そのほとんどが女性です。自国の夫は仕事もろくにせず、妻の稼ぎをアテにしているケースが多いそうです。つまり女性が国々の経済を回しているわけで、その功績は認められて当然だと思います。

──ジェンダーに縛られない、進歩的な考え方をお持ちなんですね。その考え方には、今作に出演したことも影響していますか?

レヴァン 進歩的ですか?ありがとうございます(笑)。昔からわりとそういう考えでしたが、もちろん今作の撮影現場で学んだこともたくさんあります。「これだ」っていう風には答えられないけれど、気づけば撮影前とは違う自分になっていたというか…。何か小さい変化が、今の僕を助けてくれているように思いますね。

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最終更新:3/28(土) 12:00
GINZA

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