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「オイル噴射ではなく循環式に」スズキ ジクサー250 新油冷エンジンの構造に驚く

3/29(日) 15:01配信

モーサイ

ジクサー250最大の注目ポイント、新設計油冷エンジンとはどんな仕組みなのか?

ジクサー250/ジクサーSF250には、スズキがSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンと呼ぶ新設計の油冷エンジンが搭載されている。
1985年のGSX-R750から始まったスズキの伝統ともいえる「油冷エンジン」だが、2008年にGSX1400が生産終了となることでその系譜は一時途絶えていた。23年間も使い続けた油冷エンジンがラインアップ落ちしたのは、水冷方式の方がエンジンの高出力化に容易に対応できるからだった。

【画像ギャラリー6点】油冷の原点GSX-R750とジクサー250のエンジンを比較

しかしジクサー250シリーズのようなモデルの場合、さほど高出力化を追求する必要はない。ならば、水冷ではなく油冷でも成立するとスズキは考えたのである。
油冷なら空冷よりも熱保証性や耐久性が高く、部品点数が増えて製造コストが増す傾向にある水冷よりも軽量でシンプルにできる──要は排気量と出力のバランスの問題だ。
年々厳しくなる排出ガス規制に対応するためにも、熱的に安定してよりクリーンな燃焼が得られるエンジンが欲しいのは二輪エンジン共通の課題である。

ジクサー250シリーズのエンジンで採用したのはSOCS(スズキオイルクーリングシステム)という新しい油冷システムである。
従来までのSACS(スズキアドバンスドクーリングシステム)による油冷は燃焼室の上部からエンジンオイルを噴射する仕組みだったのに対し、SOCSでは図のように燃焼室の周囲にオイルジャケットを設け、そこに高い流速でエンジンオイルを循環させる仕組みとなっているのだ。
SOCSの特徴とメリットは以下の5点が挙げられている。※()内は筆者追記。

1.高出力(低フリクション)
2.軽量コンパクト(構造の簡素化)
3.EURO5対応(高い熱的安定性)
4.優れた耐久性(低フリクション+熱的安定性)
5.優れた操作性(エンジンの低重心化とコンパクト化)

エンジンを設計する時に、高出力を追求すればするほど、そのサイズや重量は拡大する傾向にあり、それに比例してコストも増加する。しかし、ジクサー250のような位置付けのモデルなら、そのエンジンにおいて求められる要素を「ほどほどのレベル」で組み合わせ、合理的なエンジンを作ろうと考えた……と言うのが今回のエンジン設計の根底にある。
これをスズキのエンジニアは「ちょうどいい最適化」だと言う。言い換えればジクサー250のような普遍的、あるいは平均的な使われ方をするモデルだからこその新型油冷エンジンなのだ。

「現代のエンジンでもフリクションによって生じるエネルギーの熱的損失は大きく、1000ccスーパースポーツでは40~60psのいわゆるメカニカルロスがある」とスズキは説明する。40馬力というとおおよそカセットコンロ10個分の熱量に匹敵すると言うから、排出ガスや燃費など環境性能が重視される現代にあって、この点はますます重要になるだろう──。では、この新型SEPエンジンの具体的なフィーチャーはと言うと、油冷システムSOCS、小型シリンダーヘッド、シリンダー連通穴、低フリクションピストンの4つである。

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最終更新:3/30(月) 11:05
モーサイ

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