いまやあらゆる小売企業が、収益の2ケタ成長を達成するためEC事業を手がけているように思える。だがオンライン販売を行わないところが大半の実店舗グループがある。それが安価に商品を提供するオフプライスストアだ。
先週、バーリントンストア(Burlington Stores, Inc.)はEC事業の停止を発表した。同社の売上に占める同事業の割合は0.5%に過ぎなかったという。
同社のCEO、マイケル・オサリバン氏は第4四半期の業績報告で「エネルギーとリソースを収益性の高い実店舗における売上増に集中するのが狙いだ」と語った。
バーリントンのような決定はまだ一般的ではないが、競合他社もオンライン事業の構築にあまり力を注いではいない。TJXカンパニーズ(TJX Companies Inc.)は、昨年9月に同社のチェーンであるマーシャルズ(Marshalls)用のECサイトをローンチしたが、もうひとつのチェーンであるホームグッズ(Home Goods)はまだオンライン販売を行っていない。同社のもっとも有名なチェーンであるTJマックス(TJ Maxx)は、2013年からECサイトを有している。
オフプライスストアがEC事業にほとんど力を注いでこなかった理由のひとつとして、同業界がほかの小売業界より高い成長率を示してきた点が挙げられる。バーリントンの2019年第4四半期の総収益は22億ドル(約2370億円)で、これは前年度から10%増だ。TJXの売上も10%増の122億ドル(約1兆3200億円)となっている。
だからこそオフプライスストアは、資金をECサイトの構築ではなく、カスタマーが来店を続けている店舗の改装や、新店舗の立ち上げなどに費やしているのだ。オサリバン氏によれば、バーリントンもまた今後数年で同様の目標を掲げているという。同社は現在727店舗を展開しているが、TJXの店舗は4529店にものぼる。「既存の実店舗での取り組みや、新規開店や店舗の移転などによって収益増を目指してく」と、同氏は語る。
eマーケター(eMarketer)でECアナリストを務めるアンドリュー・リップスマン氏は「優れたEC体験を提供するには、ある程度の投資と維持費、宣伝が必要だ」と指摘する。「ECの収益が全体の0.5%であれば、いっそ捨ててしまうという思い切った決断も賢さと言えるのではないか」。
オフプライスストアはECへの投資が少ないことについて、カスタマーが店舗内を歩いて一番良いものを探すという体験を好んでおり、オンラインでこの体験を再現しづらい事を理由としてあげることが多い。だが実際はより複雑な要素が絡んでくる場合もある。ECは、必ずしも売上だけの問題ではないのだ。
最終更新:3/30(月) 17:01
DIGIDAY[日本版]





























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