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型にはまらぬ事業で地元貢献する「ゼネコンの枠を超えたゼネコン」

3/30(月) 5:00配信

商業界オンライン

随所で「文化の香り」を感じる三島市街地

 今回の舞台は静岡県三島市。

 三島は私に「湘南と富士山の間に新ブランド地域を創ることは可能だ!」と確信させた運命の街で、街並みの美しさは当連載の2回目で触れています。

 初めて三島の土を踏んだ日、私はまず駅前にある市立公園「楽寿園」に入りました。

 そこで私を感動させたのは「ほんの樹」と名付けられたアウトドア図書館。

 東屋(あずまや)内の樹の周囲に多彩なジャンルの書籍入りバスケットが配置され、入園者は興味ある本を借りて園内の好きな場所で読めるのです。

 六本木の東京ミッドタウンでも「ミッドパークライブラリー」という同種の試みがなされていますが、あちらが単発イベントなのに対しこちらは常設。

「なんて文化的な街なんだ」と私は感動しました。

 次に向かった「白滝公園」という水辺の楽園の脇の空き地では当時、こんな試みがなされていたのでした(現在は終了)。

 小さいとはいえ駅近の一等地です。

 そこを「無料で1日貸し」するとは「文化的な街には文化的な企業があるんだなぁ」と私はまたも大感動。

「文化事業=文化の2文字を冠したハコモノを建てること」と考える人もいますが、「文化とはハードではなくソフトである」と私は思っています。

 だから「場と最低限の道具」だけを貸して「あとは創意工夫で」というこの在り方こそが「真の文化事業」だと感じたのです。

地域文化を発信する企業の次なる試みとは

 その後に向かったのが、源頼朝・北条政子ゆかりの「三嶋大社」の真正面にある複合商業施設「大社の杜(もり)みしま(以下、大社の杜)」。

 飲食を中心とした小規模店舗が約15軒集まり、共有の野外テーブル席で食事もできる素敵な造りとなっていました。

 ほんの樹がこちらにもあって「商業と文化の融合」が自然な形で成立。

 外観もスタイリッシュで、「首都圏の同系施設と比べても遜色ない」と私は感じました。

 ところが私の移住直後の2019年11月30日、大社の杜は閉館してしまったのです。

 開業日が2013年11月30日なので営業期間はちょうど6年で、延べ250万人超が訪れたといいます。

 しかし残念ながら車社会の静岡では必須とされる「駐車場」がなく、マイカー通勤者が多くて「仕事帰りに一杯やる」という使われ方もされにくい土地柄のため、観光客以外にはいまひとつ浸透しにくかった。

 首都圏だったら必ずはやったはず、と私は今でも思っています。

 そんな大社の杜がゲストハウスに生まれ変わるという噂が今年になって流れてきました。

 運営会社のホームページで確認すると事実で、しかも「メディア取材を積極的に受けます」と!

 私が早々にアポを取ったのは言うまでもありません。

 運営元は、三島を拠点とするゼネコン「加和太(かわた)建設株式会社(以下、加和太建設)」。

 しかしながらこの会社、普通のゼネコンではないのです。

 建設業と並行して「サービス付き高齢者住宅・宿泊施設・道の駅・カフェ・創作寿司店の経営」「シェアサイクルの運営」「フリーペーパーの発行」などさまざまな地域活性化事業を手掛けており、これだけ聞いても一味違うのが分かります。

 ちなみに三島初日に私を感動させた「ほんの樹」も「無料レンタル空き地」も仕掛人は加和太建設で(しかも「ほんの樹」の選書担当は「ミッドパークライブラリー」と同じブックディレクターの幅允孝さん)、それを知った私の期待度はいっそう高まりました。

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最終更新:3/30(月) 5:00
商業界オンライン

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