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髙島屋村田善郎社長が力説!

3/30(月) 8:06配信

商業界オンライン

 富裕層とインバウンド(訪日外国人客)が引っ張っていた百貨店が変調を来している。2020年に髙島屋はこの難局をどう乗り切ろうとしているのか。昨年3月にトップに就いた村田善郎社長を直撃した。

 ――20年2月期は営業利益こそ増益だが、リーマンショック直後以来の2期連続の経常減益になる見通しだ。

 村田:トップライン(売上高)はここ数年、富裕層の比較的堅調な消費とインバウンドの両軸で回ってきました。しかしインバウンドは減速し、消費増税で中間層を中心に消費が減退。

 利益面では、アパレルが売れなくなり、売上比率が食料品などより低率な商品にシフトし、商品利益率が低下。売上げの伸びがそのまま利益には結び付きにくい構図が続いています。

 実は今までのお化粧がはがれただけで、本来の基調が伸びていないのは変わっていません。

 ――村田社長の使命である構造改革の必要性がより明確になった。

 村田:百貨店の再定義が必要になるかもしれません。物を仕入れて売るのは変わりませんが、マーケットインに近づけ、適時適切に対応する旬な品揃えを実現するためにはしがらみを断ち切り、専門店と百貨店をミックスし、融合することが重要です。

 ショッピングセンター(SC)開発の東神開発や飲食店事業のアール・ティー・コーポレーションといった食の関連事業などをミックスさせた髙島屋グループとしての百貨店を目指します。

構造改革と同時に成長戦略も進める

 ――19年を振り返って。

 村田:グループ総合戦略の「まちづくり戦略」の一つのモデルと考える日本橋髙島屋S.C.が昨年3月にグランドオープンし、18年11月に出店したバンコクのサイアム髙島屋と合わせて成長路線をいかに安定軌道に乗せるかが19年のテーマでした。

 ――日本橋髙島屋S.C.の状況は。

 村田:本館、ウオッチメゾン、東館に、18年9月に開いた新館を加え4館体制になり、入店客は予想を若干上回り、売上高もほぼ予算通りです。ベイエリアから新しいお客さまを呼び込み、既存のお客さまにも満足していただき、当初の狙い通り、回遊していただいています。

 ――地方店・郊外店では横浜市の港南台店の閉店を決め、米子髙島屋(鳥取県)は地元への株式譲渡を決議した。

 村田:できる限り店舗を存続させたいという強い思いは変わりません。港南台店は横浜店と同一商圏にあり、閉店後もお客さまをフォローできると判断し、今年8月に閉店します。一時ニトリなど大型テナントを導入し百貨店と専門店を融合させましたが、商圏の高齢化が進み、マーケットがしぼんでいて、継続は難しいのが実情です。

 ――米子髙島屋は地元企業に全株式を売却し、撤退するが髙島屋の看板は残り地元も喜ぶという理想的な継承だ。

 村田:行政との密接な連携もありました。本館と東館のうち自社ビルだった東館を無償で米子市に譲渡し、コンペで新しいスポンサーが名乗りを上げてくれました。

 ――20年度からの重点施策は。

 村田:百貨店の構造改革が第一ですが、成長戦略も同時に進めます。緊急的な取り組みもします。間接部門を減らしフロントの営業に人をシフトします。要員を圧縮して得られた原資を成長部門に振り替えます。東神開発が新たに手掛ける国内の流山おおたかの森(千葉県)の周辺開発や海外ではベトナムへの成長投資が中心になります。

 髙島屋には(1)優良な顧客基盤、(2)東神開発やアール・ティー・コーポレーションなどの優良な子会社、(3)売上高1000億円を超える東西の大型店やシンガポールなど国内外を含めた店舗立地――という3つの大きなアドバンテージ(優位性)があります。これらを組み合わせて成長モデルをつくることが成長戦略です。

 3つを組み合わせることで「金融事業」も海外事業と匹敵する収益の柱にできる可能性があり、今春から本格的な事業としてスタートさせます。

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最終更新:3/30(月) 8:06
商業界オンライン

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