「無印良品」の店頭は極めて好調だ。既存店売上高は第3四半期まで(3~11月)で前期比5.1%増。客数は12.1%増と伸びた。だが今期は2期連続の減益になる見通しだ。それはなぜなのか。その根本原因と今後の戦略を良品計画の松﨑曉社長に聞いた。
――ここ数年取り組んできた政策は。
松﨑:2017年度から始まった中期経営計画(中計)で、国内の大方針を「シンプルで美しく暮らそうとする生活者にとって最良で最強の店舗をつくる」と定めました。そこで店舗を大型化し、衣生食(衣服・雑貨、生活雑貨、食品)の商品領域で生活の基本となる商品を作り、価格を下げてきました。
2つ目はグローバルサプライチェーンの整備と進化です。マーチャンダイジング領域、会計領域、顧客領域のシステムを変える大改革です。これは業務の整備と再構築でもあり、システムとは車の両輪です。日本は今年1月から稼働を始めました。まだ道半ばですが、早急にグローバルプレーヤーとして戦うシステムインフラを整備します。
3つ目は社員の意識改革です。当社は将来的には「個店経営」を目指したいと考えています。従来はムジグラムなど業務基準書で業務を進めていましたが、今後は社員が主体的に自ら考えて店舗を運営します。システムが全て稼働したら、いずれは世界中の店舗の店長が自店の商品計画を修正できるようにしたいと思っています。
システム導入に伴い決算期を変更、来期は6カ月の変則決算になります。
――店頭は極めて好調なのに、今期は9期ぶりに2期連続の減益になる見通しだ。原因は何か。
松﨑:まず国内は経費増。人件費や物流費の値上げを営業収益でカバーできませんでした。人件費の対売上比率は第3四半期では落ち着きましたが、物流費はまだ改革の余地があります。
問題は売上総利益率が落ちてきたことです。これは第3四半期で如実に表れました。当社は消費増税後も価格を変更せず、増税分をのみ込みましたが、これは織り込み済み。良品週間などの価格施策が多かったのが原因です。
もう一つは在庫が膨らんだことです。社長就任時には500億円台でしたが、今は1100億円。商品部は販売部や海外から毎週の営業会議で「基本商品が少ない」と言われると、機会損失を避けるために商品を確保しがちです。
在庫の適正化は大きな課題です。今年は期首から在庫枠、発注枠をコントロールし、販売計画に基づいて作成するPL(貸借対照表)と商品計画を期首に一致させます。その後は売れ行きに応じて、発注枠を超える仕入れはしない。これで在庫問題を収束させます。
――海外事業も苦戦した。
松﨑:稼ぎ頭の中国は堅調です。第3四半期の減益額は約20億円なのですが、実はその大半は香港と韓国です。伸び盛りだった韓国が日本製品の不買運動で赤字に転落し、民主化デモで揺れている香港は黒字ですが大きく減益になりました。
こうなると人の確保が難しくなるので「ファウンドMUJI韓国」「ファウンドMUJI香港」といった試みを進めて、MUJIと地域の関わりを皆で議論し、当社で働くことの意義を分かってもらって雇用を維持したいと思います。
――欧米事業は。
松﨑:欧州では出店を凍結していましたが、18年度に黒字化し、18年12月にバルセロナに大型店を出店。今年はストックホルム、チューリッヒ、フィンランドに開きました、でもバルセロナ、ストックホルム、チューリッヒの店の売上げが当初計画との乖離(かいり)が大きかった。品揃えを修正して21年8月期には黒字化し、再び利益率を一定水準に戻したいと思います。
米国では18年度に最大の稼ぎ月であるクリスマス商戦が大きくずれて減益になりましたが、今は昨年5月に立案した再建計画通りに進んでいます。
最終更新:3/30(月) 10:12
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