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新型ウイルス感染拡大止まず

3/30(月) 21:56配信

Japan In-depth

【まとめ】

・コロナの日本と欧州の流行状況は異なり一律に論じられない。

・日本は感染者少なく、感染者に占める致死率高い。

・ワクチンが開発されていない今、ロックダウンには課題が残る。

3月11日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長がパンデミック(世界的な流行)を宣言した。感染は東アジアから全世界に拡がり、特に欧米が深刻な状況となった。

3月29日現在、感染者は米国8万5,228人、イタリア8万6,498人、スペイン6万4,059人、ドイツ4万8,582人、フランス3万2,542人、英国1万4,547人だ。

感染者の致死率はアメリカ1.5%、イタリア10.6%、スペイン7.6%、ドイツ0.7%、フランス6.1%、英国5.2%だ。米独を除き、概して致死率は高い。

エボラ出血熱(致死率50%)、中東呼吸器症候群(MERS, 34%)には及ばないものの、重症急性呼吸器症候群(SARS, 9.6%)と大差なく、季節性インフルエンザ(0.1%)とは比べものにならない。経済的に豊かで、医療レベルの高い西側先進国でも多くの感染者が亡くなっているのだから、おそるべき病原体といっていい。

では、日本はどうだろう。3月28日午後11時現在、感染者数は1,680人(クルーズ船を除く)で55人が亡くなっている。致死率は3.3%だ。看過できない数字だ。

ただ、日本人の受け入れ方は違う。3月中旬以降、感染者が急増し、小池百合子・東京都知事が3月23日の記者会見で「ロックダウンなど強力な措置を取らざるを得ない状況が出てくる可能性がある」と発言したものの、ロックダウン(都市閉鎖)が続く欧米諸国と比べて、日本の危機感は薄い。知人のドイツ人の記者は「街を歩いていて、日本は明るいと感じる。欧州の塞ぎ込んだ街の雰囲気とは全く違う」という。

一体、どういうことだろう。中世のペスト以降、疫病の流行を繰り返してきた欧州と、長い間、鎖国してきた日本という違いは勿論あるだろう。

ハンガリーの医学部で学ぶ吉田いづみさんは、今回の流行を受けて、緊急帰国した。彼女は「欧州は国境封鎖に抵抗がありません。今回も即座に隣国との国境を閉鎖しました。これまでの長い歴史が影響しているのを実感します」という。

ただ、私はそれだけが理由ではないように感じる。日本と欧州の流行状況を知ると、両者は同じウイルスによるものとは思えない点が多数あるからだ。

私は日本の新型コロナウイルス対策を考える際、国内外、特に東アジアのデータを集めて冷静に分析すべきと考えている。東アジアのデータを見れば、このウイルスの見え方は変わってくる。

まずは中国だ。中国は新型コロナウイルスが発生した国で多くの被害者を出している。3月28日現在、8万2,230人が感染し、3,301人が死亡している。致死率は4.0%だ。致死率は欧州並みといっていい。

中国で注目すべきは致死率が都市によって大きく異なることだ。

我々の研究所では2月26日現在の中国の主要都市の致死率を調べた(表1)。3月に入り、中国での感染は落ち着いており、状況は現在と大きくは変わらない。

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最終更新:3/30(月) 21:56
Japan In-depth

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