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いまだ安定している、自動車メーカーの「広告支出」の謎 :そして、その持続も見込まれている

3/31(火) 12:01配信

DIGIDAY[日本版]

新型コロナウィルス感染拡大による前代未聞の事態が続くなか、多くの企業は広告支出の中止または抑制を選択している。ところが、3月第3週時点で、自動車業界の広告支出額はほとんど変わらなかった。

インベントリを巡る競争の減少はCPMの低下を意味する──そして、人々が自宅待機を余儀なくされるなか、テレビの視聴者数は増加している。たしかに、多くの消費者はいま、自動車を買う気分ではないのかもしれない。だが、自動車の販売サイクルはもともと、ほかの商品よりも長い。これはつまり、世の中が落ち着きを取り戻すときに備え、自社ブランドのアウェアネスとプリファレンスを高める長期キャンペーンを張るのに、いまが絶好のタイミングであることを意味する。また、家計への影響を心配する人々の気持ちをくみ取り、新たな支払オプションをはじめ、消費者を支援するメッセージの制作に焦点をシフトさせた自動車メーカーもあるようだ。

広告活動のレベルはほぼ維持

アイスポットTV(iSpotTV)のデータによると、3月1日から18日にかけて、自動車メーカーは5万4000回のテレビCMに推定1億8400万ドル(約199億円)を費やし、196億のインプレッション数を獲得した。もっとも、実際の支出額は前年同時期を下回っている。これは主に、マーチ・マッドネス(NCAAトーナメント)といった人気ライブスポーツイベントの中止によるもので、テレビネットワーク勢は、予定していたキャンペーンではなく、ニュースといった他番組での低コストのインベントリにシフトした。ただし、広告活動のレベル自体はほぼ変わっていない。同じくアイスポットTV(iSpotTV)のデータによると、2019年度は54000回のテレビCMに推定2億1500万ドル(約233億円)を支出し、インプレッション数は182億だったという。

この傾向は、大半のネットワークおよびストリーミングプラットフォームでも見られた。数百万のスマートTV視聴データを分析する企業、サンバTV(Samba TV)の調査によれば、3月7日から16日にかけて、自動車ブランドのアドロード(広告掲載回数)は全米80のチャンネル全体で13%上昇している。

ただし、世界を見れば明らかなとおり、状況は流動的だ。テレビ業界のあるシニア幹部は、3月第3週末にかけて、自動車業界のクライアントからCM出稿のキャンセルが多少入るようになったと語る。実際、大半の自動車メーカーは3月第4週、米工場の操業を停止しており、その理由として、新型コロナウィルスに関連する安全面への配慮を挙げている。2020年度の米国の自動車売上は20%急降下し、1350万ドル(約14億円)まで落ち込むと、RBCキャピタル・マーケットのアナリストらは予測している。

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最終更新:4/1(水) 8:41
DIGIDAY[日本版]

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