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2019年の動向 正社員の人手不足はどうなった?

4/1(水) 7:32配信

日本の人事部

正社員の人手不足の推移

総務省の「正規雇用と非正規雇用労働者の推移」によると、正社員数は1994年から2014年までは減少が続いていましたが、2015年にプラスに転じ、緩やかではあるものの4年連続で増加し続けています。正社員が増加している理由には、株式会社ユニクロやスターバックス コーヒー ジャパン株式会社の取り組みでも話題となったように、パート・アルバイトや契約社員といった有期契約労働者の正社員化などが挙げられます。

一方で、各企業における正社員不足感は強く、帝国データバンクの調査では「正社員不足」と感じている企業は50.3%にのぼります。業種別では「情報サービス」が最も高く74.4%、次いで「農・林・水産」71.1%、「運輸・倉庫」68.5%、「メンテナンス・警備・検査」67.8%、「建設」66.3%。従業員規模別では、今後大量に定年予定者が見込まれる「従業員数1000人超」の大手企業で 63.1%と、最も高い結果となっています。

長時間労働の是正や生産性向上の一環として、「多様な正社員」の活用を推進するなど正社員を増やす動きが活発化しています。今後は、人材不足感が強い業界や大手企業を中心に、積極的な正社員の採用活動や非正規社員の正社員化が予想されます。

正社員という言葉を使うときの注意:就業規則上で明確に定義する

「正社員」は法律で定義されている用語ではないため、それぞれの企業の就業規則などで明確にしておく必要があります。

まずは、正社員の定義を就業規則上で明確にしておきます。

常時10人以上の労働者を雇用している企業には、就業規則の作成と行政官庁への提出が労働基準法第89条で定められています。また、労働基準法では、次の内容についても就業規則に記載することが義務付けられています。

・始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務の場合の就業時転換に関する事項
・賃金に関する事項
・退職に関する事項

(【参考】労働基準法第89条)

就業規則の制定や変更は企業側が勝手に行うことはできません。労働基準法第90条により、「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない」と定められています。

この「労働者の過半数を代表する者」は、次のいずれにも該当している必要があり、企業側が代表者を指名したり、役職者を労働者代表としたりすることはできません。

(1)労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
(2)就業規則について従業員を代表して意見書を提出する者を選出することを明らかにして、実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であること。
また、就業規則の制定や変更にあたっては「意見を聴く」ことが必要であり、「同意を得る」「協議する」必要があるのではないことにも留意しましょう。

(【参考】労働基準法第90条)

●就業規則に明文化しないことのリスクとは

雇用形態の定義を明示していない場合、企業のリスクが高まることがあります。

1997年に企業側が敗訴となった「大興設備開発事件」の例を挙げましょう。この事件では、採用時にすでに60歳を超えているパートタイム従業員への退職金について、就業規則では支給しないということが明示されていなかったため、退職金が適用されるという判決が下されました。

判決後、同社では正社員を対象とする就業規則とは別に、高齢者及びパートタイム従業員を対象とする就業規則の二つを作成し、高齢者およびパートタイム従業員に対しては退職金を支給しない旨が明記されました。

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最終更新:4/1(水) 7:32
日本の人事部

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