4年連続の日本一を狙う福岡ソフトバンクホークス。攻守にスキのない陣容は今季も健在だが、中でも助っ人外国人選手の質量は12球団随一といえる。そのホークスが誇る最強助っ人獲得のキーパーソンとなるのが中南米担当スカウトの萩原健太氏だ。ドミニカ共和国に居を構え、中南米を忙しく動き回る萩原スカウトに今年もお話を伺うことができた。
【福岡ソフトバンクホークス】2020年度、支配下選手・育成選手・監督・コーチングスタッフ一覧
これまでに萩原スカウトが獲得に携わった選手は、ジュリスベル・グラシアル内野手、アルフレド・デスパイネ外野手、リバン・モイネロ投手、ロベルト・スアレス投手(現阪神タイガース)、オスカー・コラス外野手(制限選手扱い)と、近年のソフトバンクの屋台骨を支えているプレーヤーたちだ。
「スカウトに就任して今年で6年目になります。就任後、毎年のように選手を獲得してきましたが、ここ2年は私自身のスカウティングによる選手獲得には至っていません。ただ、うちのチームの外国人の顔ぶれを見ればわかりますが、求められるレベルが非常に高いです。例えば、若手野手を育成で獲得するにしても、2、3年でデスパイネやグラシアルからポジションを奪えるポテンシャルがあるのだろうか、というのが一つの基準になるわけです。球団には定期的に有望な選手についてレポートで報告しています。
もちろんアメリカ本土にもスカウトはいますし、予算の問題などもありますから、私の推薦する選手だけが獲得されるわけでないのは当然のことだと理解しています。選手の獲得も嬉しいことですが、獲得に携わった選手が活躍してくれること、長く日本球界でプレーしてくれているのも非常に嬉しいことなんです。そういう意味では、昨シーズン、グラシアルが日本シリーズでMVPを獲ってくれたことは大きな喜びでした。球団も様々な観点から私の仕事を評価してくれるのでありがたく思っています」
新型コロナウイルス感染拡大は萩原スカウトの活動にも大きな影響を与えそうだ。先が見えない状況の中で、今季の活動についてどのように考えているのだろうか。
「飛行機での移動はリスクが大きいので、ドミニカに腰を据えて活動する時間が増えそうです。とにかく、ドミニカの球界関係者からは『お前は全くドミニカの選手を獲得しないな』といつも冷やかされているので(苦笑)、これもいい機会かもしれません。色々な町を回って原石に出会えるチャンスを探りたいです。
これまでの5年で、中南米各国のリーグ、ウインターリーグ、国際大会をつぶさに見てきたので、おおよその選手の情報は頭に入っています。ただ、本当に優秀な選手はMLBの球団に持っていかれていることが多いので、近年の国際大会やウインターリーグでは、なかなか逸材と呼べる選手にお目にかかれないという状況です。なので、キューバであればU-23のリーグ戦など、まだ世間の目が届いていないところに注目したいですね」
優秀な選手が一堂に集う米国本土と比べると、中南米でのスカウティング活動の難しさは想像に難くない。一年中、ラテン野球世界を地道に歩き続ける萩原スカウトだからこその想いがある。
「うち以外のNPB球団もドミニカを始め色々な国にスカウトを送ったり、トライアウトを開催する機会も増えているようですが、それはいいことだと思っています。ただ、長年ドミニカに拠点を置く立場から言わせてもらうと、1、2週間の滞在で簡単に逸材が見つけられるとは思いません。日本のスカウトだって長い時間をかけて高校生を追いかけているというのに、言葉も文化も違う国での一度のトライアウトで選手の力量を判断するのは酷だと思います。こちらではトライアウトに合格するためにドーピングする選手もいるくらいです。いざ契約してみたら、トライアウト時の実力はドーピングによるものだったという笑えないことも起こります。
私は、自分自身の足で長い時間をかけて中南米を回っているという自負もあります。ですから、少なくとも私の担当地域において、他球団の獲得選手の中で”先を越されてしまった”というケースはこれまでにありません。各球団それぞれに事情もあるでしょうから、中南米に常駐スカウトを置くのは難しいでしょう。ですから、私が結果を出すことで、中南米スカウトという仕事の価値や地位を高めることに繋がると思っています」
最終更新:4/2(木) 12:04
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