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新型コロナウイルスは、物体の表面で数日間は生き続ける? 研究結果から見えてきたこと

4/2(木) 15:01配信

WIRED.jp

あなたが家でくつろいでいられたとしても、外出できないせいで少しいらいらしているかもしれない。しかし、それは新型コロナウイルスの「流行曲線の平坦化」に貢献していることになる。

あなたが何歳であろうと感染する。そして「大切な人を死なせる」危険性がある

だが、あなたが家でじっとしているわけにはいかない立場だとしよう。アマゾンの商品を配達しているかもしれないし、路線バスを運転しているかもしれない。あるいは、自らが新型コロナウイルス感染症「COVID-19」にかからないように注意しながら、病院でCOVID-19の患者の治療にあたっているかもしれない。当然のことながら、スーパーに行かなければならないかもしれない。

そうなると、こんな疑問の答えを知りたくなるかもしれない。それは新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」が、わたしたちが毎日触れている物体の表面で生存する期間はどのくらいなのかという疑問である。

物体の表面で感染力を維持

米国立衛生研究所(NIH)、プリンストン大学、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)の研究チームが3月半ばに発表した査読前論文によると、新型コロナウイルスは数時間あるいは数日間にもわたって、物体の表面で生存する可能性があるという。研究室でさまざまな素材に新型コロナウイルスを付着させて実験した結果、このウイルスは物体の表面でかなり長い間、感染力を維持することがわかったのだ。

新型コロナウイルスは、段ボールの表面では最長24時間、プラスティックやステンレスの表面では最長2~3日ほど生存していた。また、空気中に漂う小さな粒子に付着したエアロゾルの状態でも、最長3時間は生存していた。これらの結果は、いずれも2000年代初めにSARS(重症急性呼吸器症候群)のアウトブレイク(集団感染)を引き起こしたコロナウイルスの生存期間とおおむね一致すると、研究者たちは指摘している。

もっとも、これは研究室内での実験結果である。このため今回の結果は、研究室の外の世界の物体の表面における新型コロナウイルスの生存可能期間を直接は示していない可能性もあると、研究者たちは注意を促している。

エアロゾル感染するという根拠にはならない
それでも、この結果は新型コロナウイルスを理解するうえでも、このウイルスによる感染症の拡大を防ぐうえでも必要不可欠になる。感染症が流行している最中に、その原因となるウイルスの伝播動態を研究することは困難だからだ。病院などの公共スペースでは人々が消毒作業に最善を尽くしているので、流行中の病原菌の動態に関する研究が難しくなっている。

また研究者たちは、新型コロナウイルスが空気中に漂うエアロゾルの状態で、どのくらい長く生存できるか実験したものの、感染者の周辺に漂う空気を実際に採取して調べたわけではなかった。研究者たちは新型コロナウイルスを液体噴霧器に注入したのち、回転ドラムの中に噴霧し、ウイルスを含むエアロゾルが空気中に漂っている状態を維持した。それからドラム内の空気中でウイルスが生存できる時間を調べたのである。

このような条件下で新型コロナウイルスが3時間生存したという事実は、このウイルスが「空気中に漂っていた」ことを意味するものではない。つまり、「新型コロナウイルスは空気中に長時間漂っているので、感染者と空間を共有するだけでウイルスに感染してしまう」ということにはならない。

「この実験結果は新型コロナウイルスがエアロゾル感染するという根拠にはなりません」と、NIHの研究者で今回の論文の共著者でもあるネールチェ・ファン・ドレマレンは、Twitterで注意を呼びかけている。

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最終更新:4/2(木) 15:01
WIRED.jp

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