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新型コロナ騒動から考える日本人の「ヘルスリテラシー」

4/2(木) 15:02配信

nippon.com

板倉 君枝(ニッポンドットコム)

新型コロナウイルスを巡って情報が氾濫する中で、医療・健康情報の信頼性を評価し、自分で判断するスキルが問われている。「ヘルスリテラシー」を推進する中山和弘・聖路加国際大学教授に話を聞いた。

デマの拡散と偏った情報発信

「新型ウイルスは熱に弱いので、お湯を飲むといい」「漢方薬が予防に効果がある」「納豆やヨーグルトを食べると免疫力が高まる」から「厚労省がマスク不足に対応し、日の丸を冠したマスクを生産」まで、ネットやソーシャルメディア(SNS)では科学的根拠のない予防法やフェイクニュースを含むさまざまな情報が飛び交っている。

感染の拡大とともに海外でもデマは拡散され、正しい情報発信の強化や、情報の信頼性を見極めるスキルが問われている。特に日本では、「新型コロナ発生以前から、米国の疾病対策センター (CDC) に相当する機関がないことや国民に分かりやすく健康情報を伝える公的機関が不十分なこともあり、正しい医療情報が入手しにくいと言われていました」と中山和弘教授は指摘する。

日本で初の患者が報告された1月16日以降、メディアの情報発信の方向性にも疑問を感じたと言う。「厚労省が比較的早い段階で、こまめに手洗いをすることが効果的など、日常で実践できる情報をツイッターで発信したことは評価できます。一方、メディアでは増え続ける感染者、死亡者の数字だけが大きく報道されてきた。情報は意思決定のために提供するものです。リスク情報は対処できるならリスクを減らせますが、対処できないなら単なるストレスになってしまう。同様に、トイレットペーパーがどこでも売り切れだと伝えれば、消費者に “いま買わなくては” という気持ちにさせるだけ。リスク・コミュニケーションがよく分かっていないと思いました。新型コロナでは退院した人たちもがいるのだから、感染者・死亡者数だけではなく、そちらの数字も平行して発信して、偏らない情報を出していくことが大事です。また専門用語ではなく、一般に分かる言葉で伝えることが不可欠ですね」

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最終更新:4/2(木) 15:02
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