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無料開放化にも関わらず、ニュースサイトの有料購読が増加:問題はいつ有料に戻すか?

4/3(金) 17:01配信

DIGIDAY[日本版]

欧米のパブリッシャーは、過去4週間に有料購読者の急増を目の当たりにしている。背景にあるのは、進行中の新型コロナウイルスのパンデミックに際し、できるだけ情報を得ておきたいという読者の欲求だ。

ブルームバーグ・メディア(Bloomberg Media)では今年2月以降、有料購読者数の増加幅が過去最大を記録した。同社によると、1日の平均契約者数は通常時の3倍にのぼる。ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)などと同様、ブルームバーグもウイルス関連のコンテンツにペイウォールを設けていない。アトランティック(The Atlantic)も、新型コロナウイルス関連記事をメーター制ペイウォールの対象外としているにもかかわらず、1週間あたりの新規購読者の伸びが過去最大となった。

雑誌出版社、新聞社、デジタルニュースパブリッシャーなどをクライアントにもつサブスクリプションテクノロジープラットフォームのピアノ(Piano)によると、米国における3月第3週のデジタルサブスクリプション数は、前年同時期と比べ63%増加した。

「新規読者獲得数が急増する一方、解約やクレジットカードの料金未払いに変化はないというのが、現在の状況だ」と、ピアノの戦略担当シニアバイスプレジデント、マイケル・シルバーマン氏はいう。「コンテンツの一部にペイウォールをかけていても問題なく、読者はそうしたコンテンツに対価を払うことを、データは示唆している」。

「適切なトーンがすべてだ」

サブスクリプション型パブリッシャーが公衆衛生サービスの一環として、新型コロナウイルス関連コンテンツをどれだけ無料閲覧可能にするかが注目されている。広告インプレッションに支えられた無料アクセス可能なニュースは、スケール化が収益性のカギを握るため、概して過剰にセンセーショナルになりやすい。ただし、パンデミックの脅威を目の当たりにした広告主は、新型コロナウイルス関連ニュースに関してオープンマーケットプレース広告をブロックし、パブリッシャーの売上は落ち込んでいる。

エコノミスト(The Economist)やデイリービースト(The Daily Beast)はペイウォールを部分的に開放した。テッククランチ(TechCrunch)は健康・安全に関するコンテンツを開放したが、投資家やスタートアップがパンデミックにどう反応したかという、読者層によりマッチしたコンテンツに関しては、有料メンバーシッププログラムの「エクストラクランチ(Extra Crunch)」の登録者限定のままだ。

ペイウォールを開放しつつ、サブスクリプションや寄付を呼びかけるパブリッシャーもある。3月19日、シカゴ・サンタイムズ(The Chicago Sun-TImes)のCEOニキア・ライト氏は読者へのeメールで、コロナウイルス関連記事をすべて無料閲覧可能にすると発表する一方、サブスクリプションを通じたジャーナリズムへの支援を呼びかけた。このようにパブリッシャーが読者とコミュニケーションをとる際には、適切なトーンを保ち、透明性を示すことが重要だと、シルバーマン氏は話す。

「パブリッシャーは透明性や正直さを躊躇なく打ち出すべきだ」と、同氏はいう。「適切なトーンがすべてだ。懇願や祝賀のムードを排し、真剣さと敬意をもつことだ」。

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最終更新:4/3(金) 17:01
DIGIDAY[日本版]

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