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緊急事態宣言で政府と東京都の思惑にずれか

4/3(金) 16:50配信

NRI研究員の時事解説

緊急事態宣言の発令を政府に促す小池都知事

東京都の小池知事は4月3日の記者会見で、政府が改正新型インフルエンザ特措法に基づく「緊急事態宣言」を出した後の都の対応について大まかな方針を説明した。小池知事は「都民のみなさんには、特措法に基づく外出自粛要請をするとともに、施設やイベントの主催者に対しては使用の制限、停止などを要請することになる」と述べた。他方、「食料品、医薬品などの生活必需品、銀行、証券取引など社会、経済生活を維持するサービスは、衛生管理をした上で営業いただく」としている。

さらに小池知事は、「国に乗り出していただくのは、大きなメッセージになる」として、改めて緊急事態宣言の発令を政府に促している。他方で、緊急事態宣言の措置が経済に与える打撃については、「緊急事態宣言と過去最大規模の経済対策とをセットにすることで、大きなパワーになる」として、経済対策によって経済への悪影響を緩和することができるとの考えを述べている。

小池知事は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えることを最優先とし、そのための東京都としての独自の対策を進めたいと考えている。しかしながら、従来の外出自粛要請などには法的根拠がないことから、まず、政府に緊急事態宣言を出してもらい、法的根拠を得てから、より実効性の高い対策を打ち出したい考えなのだろう。

具体的な措置を決めるのは都知事

緊急事態宣言が出された後の外出自粛要請については、改正新型インフルエンザ特措法第四十五条第一項は、以下のように定めている。

(第四十五条) 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。

重要なのは、外出自粛要請の具体的な内容を決め、それを住民に要請するのは、政府ではなく、政府が緊急事態宣言の対象区域に指定した都道府県知事、東京都であれば小池知事なのである。

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最終更新:4/3(金) 16:58
NRI研究員の時事解説

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