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【ニューヨーク】ストップしたままの米スポーツ界。矜持を示すフリージャーナリスト

4/4(土) 11:32配信

GOETHE

新型コロナウイルス感染が世界中に蔓延している中、アメリカ・ニューヨークでは学校、ジム、観光名所などが次々と閉鎖され、外での飲食も禁止。現在はロックダウン(外出制限)され、不要不急の外出は禁じられてしまった。世界的大都市の今について、ニューヨークに20年以上在住するスポーツジャーナリストの杉浦大介さんが緊急ルポを寄せた。

忘れがたき2020.3.11

アメリカに住むすべてのスポーツメディア、関係者は、3月11日の夜に自分がどこで何をしていたかを忘れることはないだろう。

この日、NBAのユタ・ジャズから新型コロナウィルスの感染者が出たため、オクラホマシティで行われる予定だったジャズ対サンダー戦は直前キャンセル。直後にNBAシーズンの中断が発表され、スポーツ界を激震が襲った。その後にNCAA、NHL、MLBなどが軒並み延期を表明。以降、米スポーツ界の動きは完全にストップしたままだ。

“運命の日”となった11日夜。私はブロンクスのアジア料理レストランで2人の記者仲間と会食中だった。長くお世話になっているNBA専門誌『ダンクシュート』の人気企画、“記者座談会”を収録していたのだ。

この日の座談会の議題は“プレーオフ展望”。NBAプレイヤーから感染者発生という衝撃的なニュースが届き、時が止まったのは、ちょうどファイナル(決勝戦)の予想にまで話を巡らせているところだった。経験豊富な記者たちは、その瞬間、収録したばかりのプレーオフ展望がお蔵入りになること、しばらくゲームを取材する機会がなくなったであろうことを即座に悟った。別れ際には、「次に会える時まで元気で」と言葉を交わし合ったのを鮮明に覚えている。

それから早くも20日間が経過した。予想通りに米スポーツ界の時計の針は止まったまま。状況はむしろ悪くなっており、シーズン再開の目処はもちろん立っていない。

NBAは夏場ごろのリスタートを目指すと表明してはいるが、このまま今季がキャンセルされても誰も驚くまい。他のほぼすべての業種と同じく、スポーツ取材、執筆を生業とするスポーツ記者たちも厳しい我慢の時間を余儀なくされている。

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最終更新:4/4(土) 11:32
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