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ディズニー前CEOが明かす「古い常識」の破り方

4/4(土) 7:50配信

東洋経済オンライン

ウォルト・ディズニー・カンパニー会長・前CEOのロバート・アイガーは、「私が作ってきたものの中で最も誇らしく思える作品」として『ブラックパンサー』の名前を挙げる。なぜなら、「黒人俳優が主演の映画はお金にならない」というハリウッドの「常識」を打ち破り、興行的にも大成功を収めたからだ。『ディズニーCEOが実践する10の原則』を著したアイガーが、マーベル買収の「キューピッド」であるスティーブ・ジョブズへの追憶とともに、当時を語る。

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■女性・黒人ヒーローはウケない? 

 マーベルの買収は、私たちの最も楽観的な予測さえ軽々と超えるほどの成功を収めた。マーベル20作目となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』は公開初週に映画史上最高の興行成績を記録した。すべてのマーベル作品を平均しても、興行収入は10億ドルを超え、その人気ぶりはテーマパークやテレビやキャラクターグッズにも、予想しなかったほどの広がりを見せている(『ディズニーCEOが実践する10の原則』執筆時点)。

 同時に、マーベル映画は興行成績以上に、ディズニーとポップカルチャーに大きな影響を与えた。2009年以来、私は関係者数人と4半期に1度会って、今後のマーベルの青写真を描いてきた。すでに制作中のプロジェクトについても話し合うし、まだほんの思いつき程度のものについても話し合う。これから世の中に出せるキャラクターはどれかと検討し、どの続篇やシリーズ物をMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に加えたらいいかもじっくりと考える。ここで、俳優や監督を検討し、さまざまな物語をどうクロスオーバーさせるかに頭を絞る。

 このミーティングの前に、私はよく手元のマーベル百科事典を頼りに、たくさんのキャラクターに没頭し、映画にしたくなるキャラクターはないかと探してみる。昔ケビン・ファイギ(マーベル・スタジオを率いる映画クリエーター)がアイク・パルムッター(マーベルCEO)の下にいた頃には、映画の制作判断はニューヨークのチームが行なっていた。

 私は一度、多様性がないのは問題だと訴えてみた。マーベル映画の主人公はそれまでほとんど白人男性だった。それは変えたほうがいいと言うと、ケビンは同意してくれたが、ニューヨークのチームは乗ってくれないのではないかと心配していた。私がニューヨークのチームに電話をかけ、この件を相談してみた。すると、「女性のスーパーヒーローものには絶対に客が集まらない」と言われた。また、海外のファンは黒人のスーパーヒーローものは見たがらないと彼らは思い込んでいた。

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最終更新:4/4(土) 7:50
東洋経済オンライン

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