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「消費減税・全国民への現金給付」がコロナ対策にならない理由

4/5(日) 5:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

これからの時代を経済的に困窮することなく生きるには、「経済センス」を磨くことが不可欠です。経済コラムで多くのファンを持つ経済評論家・塚崎公義氏が、身近なテーマを読み解きます。第13回は、コロナショックによる景気減速を立て直すために、どのような選択肢が有効であるかを考察します。

政府は「大規模な景気対策」を実施することに

今回の新型コロナウイルスに起因する経済問題への対応として、政府は大規模な景気対策を実施することになりました。緊急事態ですから、財政再建などといっていられない、という国際的なコンセンサスができあがっており、先進各国ともに本格的な対策を実施するとみられます。

「消費税を減税せよ」「全国民に現金を配れ」といった声も聞こえてきましたが、筆者はいずれも支持しません。政府の対策で概ねいいと考えています。もちろん、規模はさらに大きければ大きいほどいいですが。

外出自粛で消費しないのだから、消費税減税は効果薄

筆者は、消費税がいい税だとは思っていません。累進課税になっていないため、貧しい人に負担感が重いといわれていますし、消費するたびに重税感を与えるだけでも景気にマイナスです。専門的な話になりますが、「ビルトイン・スタビライザー」と呼ばれる景気安定化機能も持っていません。したがって、中長期的には消費税率は緩やかに引き下げていき、ほかの税と入れ替えるべきだと考えています。

しかし、今次局面における景気対策としての消費税率引き下げには反対です。今次不況は短期的に景気が大きく落ち込んだあと、新型コロナが収束すれば急激に景気が回復する、という短期集中型の不況ですから、対策も短期決戦型とすべきだからです。

「消費税率を短期間だけ思い切り引き下げる」ということになると、引き下げ前に猛烈な買い控えが発生し、引き下げ後に猛烈な反動増が発生しますし、元に戻す前に猛烈な買い急ぎが発生し、戻したあとに猛烈な反動減が発生します。つまり、景気が不必要に熱されたり冷やされたりすることになるのです。

「消費税率を大幅に引き下げてそのまま維持する」ということであれば、景気対策としてはいいのでしょうが、新型コロナが収束したあとも税率を戻さないと、景気刺激効果が出すぎるでしょうし、財政再建派が黙っていないでしょう。

一方で、財政再建派に迎合して「消費税率を小幅に引き下げて、そのまま維持する」というのでは、今次緊急事態を乗り切ることはできないでしょう。

もうひとつ、今次不況は「金がないから消費しない」のではなく、「外出できないから消費できない」わけですから、消費税率を引き下げても、景気対策としての効果は薄いでしょう。

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最終更新:4/5(日) 5:00
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