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原油価格上昇も、米国経済「急激悪化」…コロナ感染拡大の荒波

4/5(日) 17:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

トランプ大統領が、ロシアとサウジアラビアが原油生産の削減に合意する見通しであることをツイートし、2日、原油価格が上昇した。新型コロナ感染拡大の影響による価格急落を防ぐ一手として期待できるものの、一方で、米国経済は悪化の一途をたどっている。3月の非農業部門雇用者数が事前予想を大きく上回り、失業率は急上昇した。この数値は「新型コロナ感染拡大の影響で月後半に広がった事業・学校閉鎖の前」のものである以上、景気後退への懸念は強まるばかりである。Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence BankのCIO、長谷川建一氏が解説する。

世界経済の景気後退懸念を増幅させた原油市場に変化が

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、5日現在、新型コロナウイルスの感染拡大は世界全体で110万人を突破し、死者数は6万人に達した。感染は急拡大しており、歯止めがかかる兆しはない。

トランプ大統領が2日、原油に関してツイートしたことをきっかけに、原油価格が上昇に転じた。

トランプ大統領は、サウジアラビアのムハンマド皇太子と会談し、サウジアラビアとロシアが原油生産を日量約1000万バレル削減することで合意する見通しだとツイッターに投稿した。サウジアラビアはトランプ大統領のツイートに続いて、OPEC(石油輸出国機構)並びに、ロシアなど非加盟主要産油国を加えたOPECプラスに緊急会合を呼び掛けたと発表し、他国が減産に合意すれば、サウジアラビア自身も減産する姿勢を示した。

また、ロシアメディアは、プーチン大統領がロシア石油大手企業の幹部に対し、原油価格の急落を反転させるために、産油国は協調減産に踏み切るべきで、世界全体で日量約1000万バレル前後の減産は可能だと発言したことを報じた。プーチン大統領はまた、ロシアがサウジアラビアと緊密に連絡を取り合っているとし、米国と接触したことも認めたようである。

WTI先物は2日に5.01ドル(前日比25%)高、3日もさらに3.02ドル(前日比12%)高の1バレル=28.34ドルで引けた。

原油価格は、新型コロナウイルス感染拡大による需要急減に加え、3月はじめにロシアとサウジアラビアの交渉、そしてOPECプラスでの合意形成に失敗したことで、産油国間のシェアの奪い合いによる供給過多を懸念し、20年ぶりの低水準に価格下落していた。今回の価格下落は、OPECおよびOPECプラスの合意形成失敗で増幅された側面もあるが、これが世界経済の減速懸念をさらに強め、株式市場での急落幅を大きくした側面がある。原油価格のダウンサイド不安が後退することは、株式相場にとっても、ポジティブなニュースになるのではないか。

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最終更新:4/5(日) 17:00
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