2070年、地球環境について考える「アースデイ」が100周年を迎えるとき、地球はどんな姿になっているだろうか。その答えはもちろん、今から2070年までに排出される炭素量によって決まる。とはいえ、未来が暗たんたる状況になることは、すでに目に見えている。
ギャラリー:地球が破綻する理由
確かに、2070年までには想像を超えるような技術が数多く生まれるだろう。私も取材で水蒸気しか排出しない自動車を運転したし、空気中の二酸化炭素を吸収する装置も見学した。
だが残念なことに、二酸化炭素は数百、数千年にわたって大気中に漂い続けるため、今日から排出量を減らしたとしても気候変動の進行は止まらないだろう。
同時に、これまでに排出されている二酸化炭素の影響も、まだすべてが表面化しているわけではない。主には、広大な海の水温が現在の二酸化炭素濃度に反応して上昇するまでに時間がかかることが原因だ。現在、地球の平均気温は1880年代に比べて約1℃上昇しているが、そこにはタイムラグがあるため、これからさらに0.5℃は上昇すると予測されている。気候変動の影響には、時間差がつきものなのだ。
では、あとどのくらい暑くなったら、文字通り「破滅的な変化」が始まるのだろうか。変化とはたとえば、グリーンランドの氷床の融解だ。完全に融解すると、地球の海面水位が6メートル上昇するおそれがある。
研究者は破滅的な変化が始まる境を、産業革命前と比較しておそらく2℃程度、もしくは1.5℃とみている。現段階で気温はすでに1℃上がっていて、さらに0.5℃の上昇が“約束”されているため、このままいけば1.5℃を超えるのは確実だ。気温の上昇を2℃以内に抑えるには、この数十年で世界全体の排出量を半分以下に減らし、2070年頃までにはゼロにする必要がある。
ゼロにすることは、理論上は可能だ。化石燃料を利用している世界のインフラの大半、いや、おそらくすべてを、太陽光、風力、原子力を利用したエネルギーに置き換えることができるだろう。だが現実は、風力や太陽光による発電がこれほどさかんになっても化石燃料の使用量は減っていない。私たちが求めるエネルギーの量も増え続けているからだ。
気候変動の影響が顕著になる一方で、世界の二酸化炭素排出量は増え続け、2019年は過去最高の431億トンを記録した。同年12月にスペインのマドリードで開かれた国連の気候変動会議は、またも不調に終わった。この傾向が続けば、2070年の地球は、今とは様変わりした危険な場所になるだろう。洪水、干ばつや火災、そしておそらく気候が関係して生じた混乱から、数百万人が家を失っていると思われる。
文=エリザベス・コルバート(ジャーナリスト)
※ナショナル ジオグラフィック4月号「地球が破綻する理由」では、温暖化がさらに加速した50年後の地球に何が起きるのか予測しました。
最終更新:4/6(月) 7:21
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