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投資を始めたばかりの人、積立投資はコロナ・ショックにどう対応すべきか

4/7(火) 20:00配信

マネーポストWEB

 年金だけでは2000万円不足する――。こうした内容を含む金融庁ワーキング・グループの報告書が波紋を呼んだ「老後2000万円問題」が話題となったのは、2019年の6月だ。それまで特に老後資金準備に関心がなかった層からも注目を集め、投資を始める人が相次いだ。

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 実際、ネット証券大手の楽天証券では、2019年の新規口座開設が前年の1.3倍の75万口座に達しており、その7割は投資初心者、6割は30代以下の若年層が占めたという。まとまった資金を持たない若年層の多くは、iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(少額投資非課税制度)といった税制優遇を受けられる制度を活用して、毎月決まった額の投資信託を購入する積み立て投資を始めていると考えられる。

 しかし、こうして投資をスタートしたばかりの層が、今直面しているのが、コロナウイルス感染拡大を引き金とする世界同時株安だ。老後2000万円問題が話題となった直後に投資をスタートした層は、年末年始の株高ではかなりの含み益を出していたはずだが、現時点では20%前後の含み損を抱えていると考えられる。せっかく勇気を出して投資をスタートしたのに、1年もたたずに資産を2割も減らしてしまったのだから、ガッカリしたり、後悔したり、うろたえている人も多いかもしれない。

 そんな人は今一度、投資を始めた理由を思い出してほしい。目的はあくまでも老後資金の形成であって、2020年に利益を出して換金することではなかったはずだ。今は成功か失敗かを判断する時期ではないのに、投資をやめてしまっては負けを確定させてしまうだけだ。

 特にiDeCoやつみたてNISAのような積み立て投資では、マーケットが下落している局面は絶好の仕込み時となる。高値圏にあるときはあまり買えなかった「量」をたっぷり買える時期になるので、ここで積み立てを続けてこそ、回復時の利益を大きくできる。

 実際、リーマン・ショックの前から積み立て投資を続けている人は、安値圏で含み損に耐えながらも投資を続けてきたのが奏功し、今でも十分な含み益を残している。中には「下落している間は積み立てをやめて、回復してきたら再開しよう」という人もいるかもしれないが、それは積み立て投資の最大のメリットを放棄し、将来の利益を小さくしてしまう行為である。

 長期投資をしていればこうした苦しい局面は必ずあるが、投資額が少ないうちに経験できたのはむしろ幸運であるともいえる。ただ、こうした時期に現金が必要な時期が重なって換金を余儀なくされることがないよう、生活費の半年分程度は生活防衛資金として現金で持っておくことは鉄則だ。それができていないのに投資をしているとしたら、それはリスクの取り過ぎなので、資産の内訳を再確認しておきたい。

文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)

最終更新:4/7(火) 20:00
マネーポストWEB

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