新型コロナウイルス問題による経済の悪化を受け、非正規社員の雇止めが注目されている。2008年のリーマン・ショック後に取り沙汰された「派遣切り」問題を思い起こさせるものだ。これに加えて、今回新たに浮上してきたのが、フリーランスの収入減という問題である。
ネットでのサービス提供が可能ではなく、対面サービスが求められる職種のフリーランス、例えば通訳ガイドやインストラクター等は、各種イベント自粛の影響で、大きな収入減に直面している。
政府が2月27日に全国の小中高校などの一斉休校を要請した後に、加藤厚生労働相は、フリーランスの働き方が多様で捉えどころがない、として、休校の補償の対象からフリーランスを除外する考えを当初示していた。その後、多くの批判を受けたことから、政府は、3月10日に決めた第2弾の緊急対応策で、子供を世話するために仕事を休むフリーランスに対して、日額4,100円の給付を決めた。
支給金を受けるには、仕事の有無や本来得るべき収入などの証明を求められる。ただし日本では、フリーランスに仕事を発注する企業が、契約書を発行しないことも多く、それが支給金受取りの障害になっている。そこで、納税証明書など前年同期の収入実績に基づき支給額を算出する手法を求める声が、上がっている。
フリーランスは働き方の自由度が高く、労働時間や報酬の個人差がかなり大きいのが特徴であり、その実態が分からないことが給付の制約となっていた。今回は、東京の最低賃金水準を念頭に、時給約千円で1日4時間働くと仮定して、日額4,100円という給付額が決められたという。
政府は他に、業績が悪化している中小企業とフリーランスを対象に、大規模な特別貸付制度を新設した。フリーランスの場合には、政府系金融機関から上限3,000万円まで無利子・無担保で融資を受けられるようになった。
また、政府は、フリーランスを含めて休業状態で生活に困っている世帯向けに、小規模な特例貸付制度も整備した。各地の社会福祉協議会を通じて、申請から原則2日以内に上限20万円まで無利子・無担保で借りられるようになった。
さらに、4月7日にも閣議決定される緊急経済対策には、フリーランスなどの個人事業主が加入する国民健康保険の保険料を、国が補填する措置が盛り込まれる見込みだ。国民健康保険を運営する市区町村などに数百億円の財政支援をして、収入が減少するフリーランスなどの保険料を減免できるようにする。これで、フリーランスの医療と介護の保険料の負担が軽くなる。
また、緊急経済対策では、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円の現金を給付する方向で検討されている。
最終更新:4/8(水) 10:34
NRI研究員の時事解説































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