川勝 美樹
英国で暮らした故・喜谷昌代さんの夢は、オックスフォードにある「子どもホスピス」を手本にした施設を日本にもつくることだった。その願いは2016年、国立成育医療研究センターを母体にした「もみじの家」として実現した。重い病気の子どもと、その子らを自宅でケアし続ける家族の負担を減らすため、「もみじの家」を設立・運営する決断を下した成育医療研究センターの五十嵐隆理事長と、NHKのアナウンサーから初代ハウスマネージャーに転身し、持続可能な施設運営のために奔走する内多勝康さんに聞いた。
東京都世田谷区の緑豊かな住宅街に建つ「国立成育医療研究センター」。その施設内に、カラフルな文字で「もみじの家」と書かれた鉄筋二階建ての建物がある。大きな窓から日が差し込む建物中央の吹き抜け部には、シンボルツリーのモミジが植えられている。
午前10時。利用者の退所時間になると、重い病気の娘を車いすに乗せた母親が、「お世話になりました!また、よろしくお願いします」と、笑顔で内多ハウスマネージャーやスタッフにあいさつをして帰って行く。
内多さんにハウス内を案内してもらうと、1階にはダイニングキッチン、家族が一緒に泊まれる個室が5つ、3人部屋が2つ。そして、子どもが寝たままで入浴できる最新型の機械浴室と、石造りでジェットバス付きの家族が一緒に入れる一般浴室が完備されていた。各部屋は、大人でもワクワクするパステル調の内装で、浴室には坪庭まで付いていて、旅館かホテルかと見まごうばかりだ。
設計・施工はどんな業者が担当したのか内多さんに聞くと、「今までこういう施設は日本になかったので、建築に携わる方が、看護師さんと一緒に、英国のヘレン・ダグラス・ハウスまで視察をしに行きました」と教えてくれた。
お風呂と並んで人気があるのが、2階にあるミラーボールやウオーターベッドなどで五感を刺激するセンサリールームだという。重い病気の子どもたちが、家族と一緒に楽しめる感覚刺激空間だ。その他にも、防音対策が施された音楽室や、絵本やおもちゃがたくさん置かれた広々としたプレイルームなど、保育園や学校のような雰囲気で、子どもが遊んだり、学んだりする環境が整えられている。
最終更新:4/7(火) 12:00
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