新型コロナウイルスの感染拡大の予測で、死亡者が2倍になる日数「DT」を使ったチャートが注目されている。米紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の統計チームが公表しているもので、これをみると今後2~3週間の状況をほぼ正確に予測できる。予測のロジックを作家の橘玲氏が解説する――。
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■死亡者数の比較から見たコロナの現状分析
新型肺炎(新型コロナウイルス感染症)について、Financial Times(FT)の統計チーム(John Burn‐Murdoch)から提供されるグラフにもとづいて現状分析をツイートしているのですが、その背後にあるロジックをここでまとめておきます。なお、私は専門家ではありませんので信頼性は各自で判断してください。
各国の状況を見るのに、検査態勢が異なるため、感染者数の比較は意味がありません。それに対して死亡者数は、東アジアと欧米であれば、病院は肺炎の患者を必ず検査するでしょうから、もっとも正確と考えられます(イランなど新興国は正確にカウントされていない可能性が高いので比較対象から外します)。
この論理で各国の死亡者数を累積してチャート化しているのがFTの統計チームです。縦軸が累積死亡者数、横軸が日数で、死者が10人を超えた日からスタートしています。チャートの縦軸が対数になっていることに注意してください(片対数グラフ)。
対数グラフは目盛りごとに値が倍々で増えていき、指数関数のような範囲の広いデータを扱うときに使います。FTのグラフで「0~1000」「1000~10000」「10000~20000」の区間を比較するとわかるように、数字が大きくなるほど目盛りの距離が短くなります。
■中国は感染をほぼ完全に抑制できている
下記は著名な統計家ネイト・シルバーによる説明で、線形グラフで指数関数(オレンジ)が示されています。ここでは1日3割のペースで感染者数が増加しますが、途中、抑制策で10%に下がったとします(青)。
これを対数グラフで示したのが下記です。縦軸を対数にしたことで、指数関数が線形関数のように表示されます。対数グラフで伸び率がゆるやかなように見えても、実際には指数関数的に感染者が増えていることに注意してください。また、抑制策で感染者数が30%から10%に下がるのは大きな効果ですが、対数表示にしたことでその効果が見えにくになっています。
次にDT(doubling time)を説明します。DTは「死亡者/感染者が2倍になる日数」のことで、DT=2日は「2日で死者数/感染者が倍(日率41%)」、DT=3日は「3日で死者数/感染者が倍(日率26%)」です。各国別の最新のDTはこのサイトで更新されています。
プリンストン大学の神経科学者Sam Wangは、DTが3日を超えると指数関数的な発散が減速(逓減)しはじめると述べています。それを参考に、DT1~3日を「加速(逓増)」、DT4日以上を「減速(逓減)」とします。それに対して、死亡者/感染者の絶対数が減少することを「収束」とします。
最終更新:4/7(火) 17:16
プレジデントオンライン


































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