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「108歳と105歳」の警鐘─「1918年パンデミック」の生存者がいま伝えたいこと

4/8(水) 18:00配信

クーリエ・ジャポン

1918年から1920年までに世界で5億人が感染し、最大1億人が亡くなったといわれる「スペインかぜ」。その悲劇的なパンデミックを生き延び、現在100歳超となったサバイバーが、「くれぐれも気をつけてほしい」と訴えている。

1918年、スペイン北部の小さな漁師町をインフルエンザが襲ったとき、ホセ・アメアル・ペニャは4歳だった。村の教会が毎日、死を告げる鐘を鳴らしていた。

それから約100年後の現在、アメアル・ペニャは、スペインでただひとり生存している、人類史上で最も悲惨なパンデミックを生き延びたサバイバーとなった。その彼がいま、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と戦う世界に向けて警告を発している。

「くれぐれも気をつけてください。同じことが繰り返されるのは見たくありません。本当にたくさんの命が失われました」

1918年のインフルエンザは、スペインでの流行が大きく報じられたことから「スペインかぜ」とも呼ばれている。このインフルエンザでは、世界中で5000万人から1億人の命が犠牲になったという。

当時アメアル・ペニャが住んでいたルアクラでも500人が亡くなった。これは町の全人口2000人の4分の1に相当する。葬式の行列が絶え間なく墓地に向かっていくのを、彼は窓越しに見つめていた。

「なぜ生き延びられたのかわからない」

1918年の秋に彼は7人きょうだいで唯一の罹患者となった。

「なぜこうして生き延びられたのかいまだにわかりません」

現在は105歳になっているアメアル・ペニャは、スペイン紙「エル・ムンド」の取材にそう答えている。

「朝起きたときはほとんど歩けませんでした。四つん這いになって這って移動しなくてはいけませんでした」
病気に苦しむアメアル・ペニャ少年に、医者はユーカリと海藻を煎じてつくった吸入薬を出してくれたという。

「やがて終わりがくる」

ここ数週間、アメアル・ペニャは新たなパンデミックが広がっていくのを心配しながら見守ってきた。スペインは世界でイタリアに次ぎ最も被害が大きく、すでに1万3341人の死者が出ており、その数はさらに増えつづけている(4月7日現在)。

「父はこれから何が起こるかわかっているのです」

娘のアヌンシアータがそう話してくれた。

「当時を経験しているからこそ、いまとても辛いと思います。時代は変わりましたが、当時と同じようなことが起こるのではないかと恐れているのです」

新型コロナウイルスはかつてのスペインかぜのように人々を不安に駆りたてている。だが、科学はかつてに比べて進歩している。
アメリカにおけるスペインかぜの生存者で、フロリダ州サラソタ在住のジョー・ニューマン(108)は、「NBCニュース」に対してこう語っている。

「このパンデミックにもやがて終わりが来ると言う人がいます。私もそう確信しています。ですが、それまでに何人が犠牲になるのでしょうか?」

そして彼は、人々の助け合いを促している。

「お互いに支え合わなければなりません。そうやってこれまで何度も危機を乗り越えてきました。今回もあとから振り返って、ああやっぱり同じだったとわかるでしょう」

Ashifa Kassam

最終更新:4/8(水) 18:00
クーリエ・ジャポン

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