ここから本文です

原辰徳監督の決断/川口和久WEBコラム

4/8(水) 11:14配信

週刊ベースボールONLINE

ドラフト1位の価値

 勇気がいる決断だったと思う。

 巨人・長谷川国利スカウト部長の編成本部付部長への配置転換だ。
 長谷川部長は原辰徳監督の高校、大学の後輩だったからね。
 原辰徳監督は仲間をすごく大切にする人だ。ただ、同時に勝利に対して真っすぐ向いている人で、時にシビアな決断をする。

2020編成 &スカウト布陣&12球団補強ポイント【セ・リーグ編】

 原監督は「ドラフト1位」に特別な価値を感じている人でもある。
 俺がコーチで巨人にいたときも、よく、「ドラフト1位はケチをつけちゃいけないんだ。ドラフト1位なんだから」と言っていた。
 その後、「カワも1位だろ? 俺も1位なんだ」って言って笑っていたが、要はドラフト1位というのは、そのチームの中心となる期待をされて入団する存在であり、それに応えなきゃいけない、という考え方だ。
 だから、選ばれた選手もしっかりと覚悟しなきゃいけないし、スカウトもケチをつけられない選手を探してこなきゃいけない、と考えていたんだろう。

 俺には言わないけど、たぶん、原監督はこうも言いたかったはずだ。
「特に、巨人のドラフト1位は特別なんだ」

 なのに、ここ数年、巨人のドラフト1位は、入った途端、故障が発覚したりとパッとしない。スカウトの失敗続きと言われても仕方がない状況になっていた。

 正直、俺は現役時代から巨人はドラフトが下手な印象がある。みんなが獲得したいと集まっている名前が知られた選手を取るのはうまいが、本当にその選手がほしかったのかなと思うことがあった。
 これは俺が広島で育ったこともあるだろう。
 昔から素材重視。プロ入り前、それほど評判が高くなかった選手を取って、しっかり育ててきた。選手獲得と育成の一貫性がきちんとできているというのかな。

 今回、ファームディレクターの高田誠と巡回コーチの水野雄仁を兼務でスカウト部に組み込んだが、これはスカウトとしては素人でも彼らの選手の見る目を評価したからだと思う。
 俺はいいと思う。原巨人がまた一歩前進したというかね。

 でも、今年はスカウトも大変だろうな。試合がどんどんなくなって、まとめて選手を見るチャンスが限られているうえに、目玉と言える候補がいない。
 本当に意味でスカウトの目が問われるし、逆に、この年に取った選手が活躍すれば、スカウト冥利に尽きるとも言えるかもしれない。

週刊ベースボール

最終更新:4/8(水) 12:12
週刊ベースボールONLINE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事