クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第43回は「ホンダ NSX」だ。
【写真】リアビューやインパネ、エンジンなどを見る(全6枚)
元号が昭和から平成に替わった1989年。ホンダは今までにないミッドシップ スポーツカーのプロトタイプ「NS-X」を発表した。1960年代の名車、トヨタ 2000GT以来の本格的な国産スポーツカーの誕生を、多くのクルマ好きが心待ちにした。翌1990年の9月、そのプロトタイプは車名を「NSX」と改めて発売される。車名のNは「ニュー」、Sは「スポーツカー」、そしてXは未知数を意味した、New Sportscar X の略であるという。
NSXが発売された当時の日本は、いま思えばバブル景気の後半であったものの、前年の1989年はR32 GT-Rをはじめ、ユーノス ロードスター、トヨタ セルシオ、スバル レガシィ(いずれも初代)といった名車が次々と発表され、「日本車のヴィンテージイヤー」と言われた年だった。R32 GT-Rに代表されるハイパフォーマンス スポーツカーが続々と登場する中、ホンダは世界に通用するスーパースポーツカーの製作を図る。
NSXは、スポーツカーとして理想的なエンジン配置であるミッドシップで後輪を駆動し、当時の市販車としては世界的にも類をみなかったオールアルミニウムのモノコック ボディを採用するなど、国産車の常識にとらわれないクルマを世に送り出した。その車両価格は当時の国産車としては最高となる800万円(ATは60万円高)であり、その価格帯からもNSXは日本のスーパーカーと認識されるようになった。
NSXの開発にあたっては、ドイツのニュルブルクリンクでもテスト走行が行われた。テストドライバーには当時ホンダエンジンを搭載したF1マシンのドライバーであった中嶋悟やアイルトン・セナも参加している。開発当初はボディの剛性が足りずに苦労したというが、走り込みと造り込みを繰り返し行うことで、軽量かつ高剛性なオールアルミニウムのボディを完成させた。
搭載されたエンジンは、フラッグシップ セダンのレジェンド用の2.7L V6 SOHCをベースに、排気量を3Lに拡大し4バルブDOHCヘッドにVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を組み込んだC30A型。自然吸気ながら最高出力は自主規制値の280ps(AT仕様は265ps)、最大トルクは30.0kgmを発生した。
1997年には、MT仕様車には排気量を3.2Lに拡大ししたC32B型エンジンが投入された。2001年にはビッグマイナーチェンジが行われ、ヘッドランプがリトラクタブル式から固定式に変更されている。サーキット走行に特化した「タイプR」やタルガトップの「タイプT」などもラインアップされ、2005年末までに2万台近くが生産され、15年以上にわたり1世代でモデルライフをまっとうした。
・全長×全幅×全高:4430×1810×1170mm
・ホイールベース:2530mm
・車両重量:1350kg
・エンジン種類:60度V6 DOHC
・排気量:2977cc
・最高出力:280ps/7300rpm
・最大トルク:30.0kgm/5400rpm
・燃料タンク容量:70L
・駆動方式:横置きミッドシップRWD
・トランスミッション:5速MT
・タイヤサイズ:前205/50ZR16、後225/50ZR16
・車両価格:800万3000円(当時・税抜)
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最終更新:4/8(水) 6:30
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