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東大生の親「年収950万円以上が半数超」経済格差の不条理

4/8(水) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

黒板、紙の教科書、ランドセル…ずっと続いてきた日本の教育風景が、変わりつつあります。教育(エデュケーション)分野に、IT技術(テクノロジー)を活用しようという取り組みを示す概念、「エドテック」。デジタル教科書、タブレット端末の導入によって、教育現場はどのように変容していくのでしょうか。本連載は、難関資格受験予備校フォーサイトの代表取締役・山田浩司氏の著書『EdTech エドテック』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、解説します。

東大生の親…世帯年収950万円以上が54.8パーセント

◆経済格差と教育格差

東大生の親の年収が、一般の同世代の親の年収よりも著しく高いことがしばしば話題になります。

教育社会学者の舞田敏彦氏の調査によれば、東大生の親の世帯年収は54.8パーセントが年収950万円以上である一方、その親と同世代の世帯年収で年収950万円以上は22.0パーセントにすぎないことが判明しています(2014年度)。

この差は、学費の高いアメリカの私立大学ではいっそう顕著になります。ハーバード大学の学生の親の世帯年収は、52パーセントが年収12.5万ドル(約1,300万円)以上となっています。

つまり、経済格差がそのまま教育格差につながり、本来は東大に入学できるような優秀な頭脳を持っていても、十分な教育を受けられる環境になかったために、あるいは大学進学という選択肢が視野にあまり入らなかったために、埋もれている子どもをつくっている可能性があるのです。

無料の受験動画を配信するNPOマナビーを創設した花房孟胤さんは、地方から東大に進学してわかったこととして、次のように教育格差について述べています。

「東京で裕福な家庭に生まれたお嬢様は、私立の中高一貫校に進学して、塾に通って夜は家庭教師も二人ついて、夏にはE判定でも第一志望に合格する。一方、九州の公立高校で学校ではトップクラスの成績の男子は、大学受験直前になって初めて自分の行きたい大学に古文があることに気づいて現役入試では落ちてしまう」(『EdTech JAPAN Pitch Festival vol.3』)

社会学者の阿部幸大さんも「『底辺校』出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由」(現代ビジネス)で、教育や文化に触れることのできない「田舎者」が、大学進学という選択肢さえ与えられないことを、深刻な地域格差であり文化資本の格差として問題にしています。塾や予備校が近場にないと、情報格差だけで受験競争に負けてしまうのです。

このような教育格差、経済格差、地域格差、情報格差は、エドテックによって解消できます。エドテックがあれば、どこに住んでいようが、都会の塾や予備校の講義を受けることができますし、オンラインで得られる情報には地域格差がありません。

また、リアルタイムの教師という高額な人件費を要する環境を必要としないエドテックでの教育は、従来の教育に比べて低廉で、教育における経済格差の解消に役立ちます。エドテックが十分に普及した近い将来には、日本全国どこに住んでいても、本気で進学したい生徒のほとんどは、希望の大学に合格できるようになると私は考えています。

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最終更新:4/8(水) 9:00
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