昨年の4月1日に新元号が発表されたとき、まさか1年後にこんな世の中が待っているとは誰も想像していなかったはずだ。新型コロナが猛威を振るう中、世界のマーケットは今もなお先の見えない状況に右往左往している。いわゆる「老後資金2,000万円問題」をきっかけに投資を始めた人は特に肝を冷やしているのではないだろうか。ここでは、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などで資産形成をしている人に、今一度冷静になって考えてもらいたいことをまとめた。
【詳細な図や写真】リーマンショックの時とは何が違うのか?(Photo/Getty Image)
●リーマンショックのときに起きて、今起きていないこと
まず、今回のコロナショックについてだが、リーマンショックとは「ショック」の構造が大きく異なる。
リーマンショックは、世界的な金融市場の機能不全が実体経済へと波及し、次第に株価下落の連鎖を巻き起こした。つまり、「金融」が震源地となり、じわりじわりと市場の混乱を招いたというわけだ。
一方、コロナショックは、感染力の高いウイルスの急速なまん延が、実体経済へとストレートに波及した結果、世界中の株式市場も文字通り急落した。ここでは、これ以上「ショック」の構造について深掘りすることはしないが、ともあれ、リーマンショック時に起きて、今回起きていないのは、「金融市場の機能不全」である。
実は、世界的な金融危機が起きた2008~09年ごろ、一部の投資信託で、基準価額の算出ができなくなり、購入や解約の申し込みも停止されるということが起きた。投資信託に組み入れている資産の流動性が極端に低下した結果、時価が算出できない、換金もできないといった事態が多発したのである。
これはまさに、金融市場の機能不全によって引き起こされた、個人投資家への負の影響である。
●米国でもリーマンショックと同じことは起きていない
つみたてNISAやiDeCoをはじめ、投信積立で選べる投資信託は、指定の休業日を除けば、原則いつでも購入・解約ができる。
このように、個別株投資とは異なり、需給に関係なく、基準価額で購入や解約ができるというのが投資信託の魅力の1つだ。
しかし、「やむを得ない事情」があると運用会社が判断した場合、ファンドの追加購入や解約の受付が急に中止されることがある。
具体的には、投資対象地域における非常事態(自然災害、金融危機、クーデターをはじめとした政治体制の変更等)の発生とそれに伴う市場の閉鎖、そして、市場流動性の極端な低下などである。
投資信託の基準価額の算出が停止され、購入や解約が制限されると、事実上、資産が「凍結」状態となり、その後の資産形成にも影響が出る。足元では少なくとも、リーマンショックのときのような事態は投資信託の世界で発生していない。
ちなみに、コロナウイルスの感染者数と死者数がともに中国を上回り、世界一となった米国でも取引所は稼働している。取引所を閉鎖すると、売買機会を奪われた世界中の投資家の不安が増大し、市場に及ぼす影響がはかり知れないからだ。
最終更新:4/8(水) 7:00
ビジネス+IT































読み込み中…