フィンランドの「国立保健福祉研究所」は 、予想されていた指数関数的な新型コロナ感染の急増は抑えられているという見解を4月1日に示した。
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その週は、感染者数が急カーブで増えていくと予想されており、応急処置などのために病院前のテント設置、集中治療の設備と医療スタッフ増強、死体保管のためのコンテナ設置など様々な医療体制が急ピッチで準備されていた。
感染者の急増が抑えられている理由として、これまでの諸対策の効果が出ている可能性があるという。
10人以上集まらない、人とは最低1メートルの距離をとる、祖父母など高齢者に会いに行かない、家でテレワークをする、不要不急の外出をしないほか、小中高校と大学、図書館、映画館、美術館、レストランやカフェなどの閉鎖、さらに国境とウーシマー県(首都ヘルシンキを含む南フィンランド)閉鎖などの対策である。
人の接触と移動を減らすことで感染の広がりを抑え、スピードを遅らせるための対策だが、これらの多くは、緊急事態法の部分的な発令を要した。
フィンランドでの感染はまだ初期段階であり、増大を前提にした対策は続けていくが、政府は4週間に及ぶ懸命の対応を経て、ほっと一息ついた形になった。
フィンランドでは1月末、ラップランドを旅行中の外国人が新型コロナに感染していることが報じられたが、当初政府は様子見をしていた。しかし、中国と韓国で感染の急増があり、フィンランドでの拡大にも準備はしていた。
2月26日、イタリアからの帰国者1人が感染していたことが報じられると、翌27日、マリン首相は国会で、次のようなスピーチを行った。
政府は、社会保険省と国立保健福祉研究所を中心に各省庁が協力する体制を作り、今後の様々な状況に備えて周到で計画的な準備をしている。最もシンプルな予防は手をよく洗うこと。フィンランドの医療の質とスキルは高い。WHO(世界保健機関)など国際的な機関とも連携し、以前の感染症から得た知識と経験もある。過剰な反応や行動は避けることが重要、といった内容だった。
このスピーチの時点では、まだ余裕を持っていたのだが、その直後からイタリアで感染の急増が始まると対応が激変した。
3月中旬以降、平日はほぼ毎日、首相や大臣、医療関係者などの会見が続けられていて、テレビやパソコンで中継を見ることができる。会見は、1日に2度行われることもある。
この一連の会見に至る間、またその後も首相や大臣、その他関係者の多くは土日も返上、1日16時間労働もあったという、フィンランドでは通常ありえないような働き方だった。
会見は経済、医療、教育、社会など領域ごとに行われ、それぞれの現状、見通し、対策などが発表される。
社会的距離を置くため記者は同席せず、質問は遠隔で行う。質問内容は前もって通知されていないが、的確に即答するのは当然のことだ。また、視聴者がチャットの機能を使って質問できる会見もある。
会見の内容は、その時々の状況に即して具体的だ。子どもや学生、支援を必要とする人、貧しい人、小規模事業者など様々な人たちの生活についても配慮していることがわかる。
これらの会見では、現在、生活に制約が増えているが、それは極めて例外的な状況であることが強調される。また、不自由になっていく現状を理解し、協力する市民に対する感謝の意が示される。
フィンランド国営放送は在住外国人のためにアラビア語、ソマリ語、クルド語、ペルシャ語で新型コロナに関するニュースを放映している。
2018年の統計で、外国語を母語とする人口は約39万人。その内アラビア語3万人、ソマリ語2.1万人、クルド語 1.4万人、ペルシャ語1.3万人である。
最終更新:4/8(水) 7:50
現代ビジネス






























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