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遅すぎた緊急事態宣言…元官僚の作家が語る「国会という茶番劇」の裏側

4/8(水) 11:01配信

現代ビジネス

 安倍晋三首相が4月7日の夕方、緊急事態宣言を行った。休校要請から1ヵ月以上あと、東京での感染が拡大してからの宣言はなぜだったのか。

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 そもそも国会が議論の場として成立していないことを指摘するのが、元労働省(現在の厚生労働省)官僚で、小説家の西村健さんだ。西村さんの実体験と現在の情報を踏まえて伝える「国会の無意味さ」とは――。

マスクでは飲食店は救えない

 「全世帯に布マスク2枚送付」で世界の失笑を買った安倍晋三政権が、ようやっと4月7日「緊急事態宣言」を出した。が、いかんせん遅すぎる。医師会や吉原洋文大阪知事らから「早く出してくれ」の要望が上がっていたにもかかわらず、「まだその状況じゃない」と逃げ回っていた。小池百合子東京都知事が「外出自粛要請」をしてから既に2週間。こういう決断というものは早め早めにした方が傷が浅くて済む、というのは常識である。今までいったい、何をやっていたのか。

 我が家の近所の飲食店主が憤る。

 「外へ出るな。会食をするな、と営業妨害みたいなことを国民に要請して、では何の補償をしてくれるのかと思ったら『マスク2枚』ですからね。冗談にしか聞こえないですよ」

 緊急経済対策では打撃をこうむった飲食業界に対し、感染収束後に「ゴートゥーイート」(仮称)キャンペーンを張るという。しかしそれも遅すぎるであろう。収束がいつのことになるか誰にも分からないし、その前に店がつぶれてしまったら「ゴートゥー」してもらっても何にもならないのである。

 「こっちは客商売なんだから、来てもらえなかったら収入ゼロ。なのに家賃といったランニングコストは常に掛かるわけですからね。だから現金給付なんかより、『飲食店の家賃はタダにしろ』『その代わり大家の固定資産税も免除する』というような政策を打ち出してくれませんかね。そうでないととても安心して生活なんてできません」

「安倍政権だから」だけではない

 「飲食店の家賃をタダにした大家の固定資産税は免除する」くらい、財務省さえその気になればすぐに実行できるのではないだろうか。国民が真に望んでいる政策があるのに、打ち出されるのは的外れなものばかり。どうしてこの国は、危急の時に限って対応が後手後手に回るのか。

 そこには、「お友達を周りにはべらせて、その意見ばかり聞く安倍政権ゆえの弊害」という点は多々あると思う。ただ、かつて霞が関に勤めていた経験から言わせてもらうなら、そもそも国会という場は到底まともな議論ができるようなところではないのだ。

 持論を蕩々と述べるばかりで、何を訊きたいのかよく分からない質問者。

 問われたことをはぐらかすばかりで、まともに答えようとしない答弁者。

 国会中継を見た方ならこんなシーンに見覚えがあることだろう。

 もちろん、切れ味鋭い野党の質問が大臣を追い込むことだってないではない。だが一方「桜を見る会」で首相とホテルの言い分が違うことを指摘し、「ホテル側に確認して書面で答えて欲しい」と迫る議員に対し、総理が「一々それに答えていたのでは予算が成立しない」などと答えて平然としている。これが会議と呼べる代物だろうか。

 出席者がそれぞれの意見を述べ合い、議長が落とし所を探って案を出し、多数決をとる。賛成多数であれば「それでは、そういうことで」と結論に至る。会議と言われて想定するイメージは、そういうものだろう。国会の実態とはあまりに駆け離れている。いったい、あれは何なのか!? 
 今では広く一般にも知られるようになったが、そもそも国会の質問は前日までに役所に伝えられ、答弁は役人が作成する。以前、そのことを冗談めかして発言し袋叩きに遭った大臣がいたが、本当に彼らは役人の書いたものを読むだけなのだ。内閣人事で割り振られ赴任して来るだけの人達だから、基本的に各省の政策について素人同然。役人が書かなければ、答弁などできるわけもないのである。

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最終更新:4/8(水) 11:21
現代ビジネス

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