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コロナで世界経済のV字回復が困難でも「勝てる投資戦略」とは

4/8(水) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● V字回復は困難 世界中で消える金利

 新型コロナの影響拡大を受け、世界経済の景色は一変してしまった。世界中で感染が拡大し、外出制限や都市・国境閉鎖の動きが拡がり、小売、飲食、観光、運輸、娯楽などのサービス関連の業種が大打撃を受けている。企業と消費者のマインドが悪化し、製造業の生産や設備投資も鈍化が見込まれ、経済への深刻な打撃が懸念される。

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 当初は影響が早期に終息し、世界経済は「V字回復」に向かうとの見方もあった。しかし現時点では、ベストケースでも「U字(緩やかで相応の時間を要する)回復」で、失業や倒産で経済基盤が損なわれた場合や、移動制限の影響が残り続けた場合には、回復がさらに緩やかな「(ひらがなの)しの字回復」となるリスクがある。米国に比べ経済対策の規模、スピード、内容が格段に見劣りする日本の経済は、「Ⅼ字回復」、つまり低迷が長期にわたるリスクを抱える。

 金融市場の動揺を受け、米国の連邦準備理事会(FRB)は3月15日に緊急利下げを行い、政策金利を0~0.25%まで引き下げた。その後、米国の長期金利は過去最低となる0.5%台まで低下した(図1参照)。日本やドイツの長期金利はすでにマイナス圏に沈んでおり、主要先進国で金利が消えつつある。ブラジルやインドなど高金利国も政策金利を次々に引き下げており、世界中でかつてないレベルの低金利が進行している。

 今年11月に大統領選を控えるトランプ米大統領は、早い段階でのFRBの利上げ転換を認めないだろう。当面追加利下げはあっても、利上げはほぼないとみる。世界経済の回復は緩慢となりそうなため、大統領選後もしばらくは利上げに転じられない可能性がある。我々は今後、金利の消えた世界が長期間続くことを前提に、経済・投資活動を行っていく必要に迫られている。

● 金利が消え、不安が高まるなか 投資対象として輝きを増す金

 新型コロナの感染拡大を受け、世界的に経済的・社会的不安が高まっている。新型コロナの発生源を巡って激しい中傷合戦を繰り広げたことで米中関係も悪化し、地政学リスクも上昇している。混乱拡大をきっかけに、中東や東アジアの情勢が再び緊迫化するリスクも危惧される。

 金利が消え、経済・社会・地政学の不安も高まる中で、投資対象として訴求力が高まり、一段と輝きを増すと考えられる資産がある。金(ゴールド)だ。

 光り輝く金は実物資産として価値があり、古代から金貨として使用されてきた。最悪の場合、紙切れになる株式や債券、紙切れにもならない仮想通貨と比べ、価値がゼロにならない点は魅力だ。金は化学反応が起こり難いので何千年経っても品質が変わらず、融点が高いので火災でも燃えない。産出量に限りがあり希少性も高く、半永久的に価値が残る安全資産といえる。

 安全資産の金は有事に強い。国際金価格(NY金先物)が2000年代に上昇トレンドに入ったのも、01年9月11日の全米同時多発テロがきっかけだった。その後も08年のリーマンショック、10年の欧州債務危機、11年の東日本大震災という有事が続く中、国際金価格は上昇基調を辿り(図1参照)、11年9月に史上最高値の1923ドルを付けている。

 国際金価格は、史上最高値を付けた後、長い調整局面に入ったが、19年には米中対立の激化、FRBの緩和路線への転換などを背景に上昇に転じた。そして現在、世界は新型コロナの感染拡大という第2次世界大戦以来最大ともいえる難局を迎え、社会・経済の不安はかつてないレベルに高まっている。安全資産の金にとって追い風が吹いている。

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最終更新:4/8(水) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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