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コロナで最も変わった国はフランスではないか

4/8(水) 5:10配信

東洋経済オンライン

 第1次および2次世界大戦の開戦時、フランス政府は壊滅状態に陥ったものの、最終的には戦勝国となった。これは、フランス政府がお粗末な初動を経て今では新型コロナウイルスとの戦いにおいて他国にリードしている、と願うフランスのジャーナリストたちがこのところよく使う比喩だ。

 フランスのメディアプロダクション会社Hikariの代表を務めるアンソニー・デュフォ氏は、「コロナという疫病に対するエマニュエル・マクロン大統領の最初の反応は人種差別主義と傲慢が混じったものだった。アジアで14年間暮らした後、4年前にフランスに帰国したことを後悔したのは今回が初めてだ。中国政府ですらコロナウイルスへの対応においてミスがあったと認めたのだ。フランスではなくてね」と不満をもらす。

■180度の政策転換を迫られている

 フランス政府の当初の反応は、コロナウイルスに効果的に対処してきたアジア諸国を口汚く非難することだった。人の移動を制限したり、市民を追跡するシンガポールや韓国、台湾は「Liberty-cide(自由を殺すこと)」を行っていると主張し、自由を重んじるフランスではこういった過激な対策はとれないとした。マスク着用はウィルスの感染拡大防止にはならず、韓国の徹底的なテスト実施方針は無意味だと切り捨てた。

 マクロン大統領曰く「ウィルスにパスポートがあるわけではない」ことから、国境のコントロールは無駄だと断言した。

 フランス政府はその後、自らの発言の1つひとつを否定するかのように痛みを伴う180度の政策転換を強いられている。北東アジア諸国を息のつまるような独裁主義と形容したフランスは、これらの国のどこよりも踏み込んだ手段をとることになった。国内全土での外出禁止だ。

 3月17日以来、フランス市民は外出できない。これは新たに通知が出るまで続く。外出できるのは食料品の買い出し、医師による受診、若干のエクササイズ(近所のみ)、犬の散歩、仕事(在宅勤務が絶対にできない人のみ)というごく限られた場合だけだ。

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最終更新:4/8(水) 12:24
東洋経済オンライン

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